2008年06月23日 (月) | Edit |
前回エントリで実害はないと書いてしまったマイレージの件ですが、質問主意書に答弁してしまった手前もあってかなかなかに複雑な問題を含んでいるようで、結構な実害が発生するかもしれないと思い直しました。脱藩官僚の方々はさすがにあなどれません。

でもまあ、原資が税金であるとはいえ、手当てとして支給されたものは支給された労働者に私的所有されるものと思うんだけど、税金というのはどこまでいっても税金だから私的に使用してはいけないと、だから脱藩官僚でなければダメなんだということですね。ということは、兼業が禁止されている地方公務員である俺が所有する財産は、すべてが税金が原資の給料で買ったものなわけで、これを私的に使用するなんてことは許されるはずもなく、すみやかに役所の財産として返却せよとか言い出すんでしょうか。それなんて共産主義?

でまあ、大阪府ではどんどん先駆けていらっしゃるようで、「地方自治は民主主義の学校」というのは言い得て妙ですなあ(遠い目)。

府秘書室によると、朝礼は46歳以上の課長補佐級職員が対象で、約140人が任意で参加。非公開で行われた質疑応答で、男性職員の1人が給与カットを批判し「職場の士気は下がっている。職員はあきらめている。知事は人として尊敬できない。公務員は兼業を禁止されているが、知事はテレビに出演している」とまくし立てた。

 これに対し橋下知事は公務以外の番組出演は断っていると反論。職員の発言に「民間では考えられない物言い。ここは団体交渉の場ではない。上司として、その言い方に注意する。私のやり方が気に入らないなら、職を変えてくれ」と厳しい言葉を投げ付けたという。

 5日の財政再建策の発表後、初めての朝礼。終了後、記者団に「職員の生活に影響があると思うが僕は府民の代表。府民に軸足を置く」と述べ、給与削減方針に変わりがないことを強調した。

 このバトルについて、インターネットなどに掲載された報道で知った府民らから、府に電話で59件の意見が寄せられた。「職員の口の聞き方がなっとらん」「『職を変えろ』はその通りだ」などとする知事賛成派が44件、「パワハラみたいな知事の発言は止めた方がいい」などの職員派が8件、「どっちもどっち」が7件。知事の“支持率”は約75%と圧倒的だった。
橋下大阪府知事「不服なら職を変えて」SANSPO.COM2008.6.13 05:07


この弁護士さんはとにかく労働問題には疎いらしいので、ご自分が当事者になっているんだから、クライアントに対するのと同じように関係法令なり判例なり調べてみればいいのに。

 二つの組合との団交を通じ、橋下知事は「人件費削減は不可避」との主張を譲らず、組合側から怒号が飛ぶ場面もあった。

 府労連との交渉で、橋下知事が「組合の主張は自分たちの生活のことばかり」と指摘すると、新居晴幸委員長が「当然だ。人件費削減に反対する交渉の場だ」と声を荒らげた。背後にいた組合幹部から「ふざけるな」とヤジが飛ぶと、橋下知事が「そういう言い方はいいのか」とやり返した。
大阪府団交決裂 知事「削減は府民の声(2008年06月22日 読売新聞)」


団体交渉がテレビで流れるなんてプロ野球選手会以来じゃないかと思うんだけど、民間の団体交渉ってのはそういうもんですよ。三井三池争議みたいなのが当たり前だった当時とは確かに時代が変わってはいるけど、不当労働行為を定めた労働組合法7条とか労働関係調整法がそれ以降ほとんど改正されていないので、法的にはあれくらいの争議でも十分許容されることになります(そういう片務的な組合保護が組合のモラルハザードをもたらして、組織率の低下に拍車をかけたという面も否定できませんが)。ましてや団体交渉はあくまで「労使対等」の交渉の場であって、労働組合が扇情的な言葉遣いをするのは古今東西共通している話だと思うんですが、府民の代表としての「外部の感覚」とやらはそういった次元を超越する高邁なモノなんでしょうね。

民も官も超越してしまった弁護士の方にとっては、役所の人間が言うことなんか耳にも入らないんだろうし、kumakuma1967さんがおっしゃるような民間感覚ですらご理解いただけないのかもしれません。

人気投票で経営トップに座れるなんて、民間の組織で考えられないからやめちまえ。*3

*3:追記:上司が気に入らないからといって仕事をやめる権利は公務員にはない。国家公務員でも地方公務員でも同じ。大阪府職員なら知事かその代理人がやめていいと言った時だけ退職が許される。弁護士といえども自分の業務に関わる法律すら読まない事があるというのはわかったが、自分が何の職についたのか理解してないのはあまりになさけない。
■[society][government]自覚なし(2008-06-19 尊敬できない、というより「バカだこいつ」というかんじ)」(くまくまことkumakuma1967の出来損ない日記


前回エントリでもリンクしましたが、改めて確認しておくと、労働問題を知らない弁護士の顧問には脱藩された元運輸省官僚がいらっしゃるわけですから、さぞお心強くされているのでしょう。

--知事はいきなり1100億円の経費削減を掲げたが

 「府の財政規模で1100億円は驚くほどの額ではない。人件費の1割カットなどで出てくる数字。補助金もなくてもいいようなものがけっこうある。一気に目標を出して後は痛み分けというやり方以外にないと、私も思う。ただし補助金と人件費だけでなく建設費や貸付金も見直すべき。橋下知事が施設や人事制度の見直しなど色々な材料を出してくるタイミングはすごくいい。発言には『不発弾』もあるが、学習のプロセスと考えたらいい」
上山信一慶大教授に聞く 大阪府市改革の現状と展望 (1/2ページ)(MSN産経ニュース2008.3.28 00:34)


明日は我が身か・・・
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