2008年04月15日 (火) | Edit |
久々の連投だけど、地方自治体の人事はおろか一般的な人事の考え方もヒドイもんだということで。

俺くらいの団塊ジュニアの年代というのは、組織のトップ連中を団塊の世代に占められてしまっていて、そのくせ自分の下には人がいないということで、どうしても上に対する目線は厳しくなる。今回の人事異動でうちの上司も替わったんだが、これが団塊の世代よりちょっと年下の「団塊フォロワー」とでもいうべき世代で、この世代に特有の「表向きは自己責任論に否定的だけど、自分だけは団塊の世代の下でしたたかに生き抜いてきたという自負」が人の形したような輩。

いわく、「(せいぜい俺より経験のない)お前なんかの能力じゃ自治体の職員しか勤まらないんだから、とにかく今の職場でがんばれ」とのことで、その理由は「俺なんかは上が(団塊の世代で詰まって)変な奴ばっかりいる中でも、組織の中でいろいろ汚いことをやらされて、それを耐えたからここまで来たんだ」からだそうな(カッコ内は筆者)。で、具体的には「お前も組織がうまく回るように飲み会に積極的に参加して、上司に気に入られろ」とのこと。

先日kumakuma1967さんの「優秀な公務員=無能な発注者」という表現を引用させてもらったけど、「いまの優秀な公務員」が無能な発注者であるとしたら、「昔の優秀な公務員」は組織犯罪者だったわけですな。そしてこの現象は、何も地方自治体に限ったことではなく、団塊の世代周辺の人口構成が組織構成に反映するくらいの規模の組織ではどこでもあっただろうと推測されます。この辺りの世代がいまテレビでキャスターなんかしているわけで、彼/彼女らがテレビで「道路特定財源でタクシー券」とかのネタを見つけてきては「けしからん!」とか怒っているのを見るにつけ、「人のことがいえた義理か?」と小一時間問い詰めてやりたくなります。

でまあ、そんなありがたいご託宣をいただいた俺にはおそらく二つの選択肢があるんだろう。一つは、そのご託宣どおり組織のために「優秀な公務員」として働いて、上司に気に入られるのをひたすら待つということで、もう一つは(すくなくともそのシステムから)退出するということ。どっちをとるべきかは明らかだろう。上司のキャリアを否定する気もなければ、橋本治の『上司は思いつきでものを言う』的な組織の綾もそれはそれで強固なものだと思うけど、だからといって改革バカに牛耳られている組織のために働くほど、俺も無責任ではないつもり。自分がやってきた「汚い仕事」(本当に汚い仕事かといえば、それほどたいしたこともやってないけど)をひたすら自慢する暇があったら、改革バカに登用された自分の仕事を見直すぐらいやったって罰は当たらないだろうに。

チホウ公務員ならそんなものかなと思っていたんだけど、日経ビジネスアソシエに牧野正幸という方の連載があって、「ゆとり教育世代を評価する理由」なるものを書いている。

学力が落ちているってのは本当でしょうな。しかし、学力がそのまま仕事になるというのは、高度成長期の考え方であって、バブル崩壊以降の日本では、すでにそのモデルは崩れていると私は思うのです。現在はイノベーションを起こし、前例のないビジネスに乗り出していかねばならぬ時期じゃないですか。
(中略)
すでに十分すぎるほど日本人の学力は高い。その高い知識レベルを維持したままクリエーティブシンキング能力も高めるというのは無理がある。そもそも知識を蓄えてそれを応用するロジカルシンキング型の教育は、自由な発想やオリジナリティーを多少押し殺すと思う(多少であってものすごくって意味ではない)。
日経ビジネスAssocie5月6日号「ゆとり教育世代を評価する理由」牧野正幸の反常識の成功学


ええと、少なくとも俺の周りでロジカルシンキング型のできない人間が使えた試しはないんですが気のせいですかそうですか。件の新しい上司が推奨するのも、違う意味でロジカルシンキングしないタイプだよねえ。牧野さんはクリエーティブシンキングとロジカルシンキングがトレードオフのようにおっしゃりますが、ロジカルシンキングのできないクリエーティブシンキングは、たとえばアーティストなら通用するかもしれないとしても、ビジネスの現場では使えないというのは、民間の方々のほうがご存じなのではないですかね。こんなことをいうと、もしかすると「公務員は何も分かってない」とか言われちゃうのかな。

でも、その直後で牧野さん自身が反証を提示してくれているんですけど。

グーグルって会社は勤務時間の2割を完全に自分のやりたいことに使うことを許すという、ものすごいことをやっている。目の前の仕事の成果に直接関わることではなく、自由な発想で考える時間を与えることで、クリエーティブシンキング力を伸ばそうとしているのである。
日経ビジネスAssocie5月6日号「ゆとり教育世代を評価する理由」牧野正幸の反常識の成功学


アメリカのGoogle本社には博士号(Ph.D)持ってないと入社できない職種があって、「勤務時間の2割を完全に自分のやりたいことに使う」ことが許されているのってその職種に限られていたと記憶しております(ネットでソースを発見できませんでしたので記憶違いなら訂正しますが)。というか、そんな自由に時間が使えるのはかなりの生産性をもった社員の特権なわけで、それともなんですか、牧野さんの会社では「経理も営業職も仕事ばっかりやらないで、自分のやりたいことを2時間はやりなさい」とでも言ってくれるんでしょうか。

まあそれはともかく、Googleでは牧野さんがおっしゃる「高い知識レベルを維持したままクリエーティブシンキング能力も高める」方法を実践しているわけで、人事コンサルの方が最初からそれを諦めなければならないような日本では到底太刀打ちできないのでしょう。そんな人材が「自由な発想」をして仕事するもんだから、改革バカがのさばるのですよ。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック