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2008年02月02日 (土) | Edit |
今さらこんな話してもということではあるんですが、最近やっと自分の頭の中で整理がついてきた気がするので、一応メモしておこうかと。まあ、このブログを書いている奴はこの程度の思考レベルなんだとご確認いただければ。

「自分探し」という言葉が言われ初めてもう10年以上経つんだろうと思う。その象徴として、浜崎あゆみが自ら書いたという歌詞が当時の不況まっただ中の世相で支持されたりしたけど、浜崎あゆみの歌詞を聴いて納得していた当時の若者の心情ってのは、「仕事や進路が決まらないのは、周りの人間がワタシの能力の可能性に気が付いていないからだ。いや、もしかしたら自分自身ですら分かっていないのかもしれない。そうだ、自分の可能性を探そう!」ってな空気を共有していたと思う。ほかでもない自分もそう思っていた節があるし。

で、ちょっと風呂敷を広げてみれば、詰め込み教育が学力偏重・学歴主義の元凶だとする批判に応える形で、「どんな子供にも可能性がある。どんな子供にも人には負けない能力が一つは備わっている」というような信念のもと、学校教育で個人を尊重するなんて風潮が蔓延していたこともその背景にあるんではないかと。まあ自分はリアルでその教育を受けた世代ではないので、そういう風潮があって教育の現場は大変だろうなと他人事でしかなかったわけだけど。

ただ、自分もそう思っていた節があるとはいえ、当時から「自分探し」という言葉には違和感を持っていた。それは現実から逃避するための口実だろうとか、自分の可能性とかいうものを過大評価してうぬぼれているだけじゃねーのとか、まあよくある反応でもあったわけだが、何年か前に日本代表でありながら突然引退を発表したサッカー選手がいましたね。あのとき、「ああこれが違和感の正体なのか」と思ったわけです。

「自分探し」というからには、上に書いたとおり自分の能力というものの存在が前提になっているわけなんだけど、成人するくらいの人生経験を積んで自分の能力がまだ発見されていないというなら、その能力の存在なんてとるに足らないもの、あるいはその能力があるとしても自らの人生がそれによって劇的に変わる可能性はかなり少ないと考えた方が無難だということをまず確認しておく。その上で、そのわずかな可能性のために、自分探しと称して、ある特定の職業について有効という視点からではなく、何らかの活動に有効だろうという視点から旅をするとか語学留学をするとかボランティア活動をするということは、なんと機会費用の高いことだろうかということなんです。

なかなかまとめにくいんですが、普通の場合は、能力に乏しい人が自らの隠された能力を見いだすというわずかな可能性にかけて「自分探し」をすることになるので、「自分探し」する暇があったら仕事して社会経験積んだ方が「社会で活躍する可能性」は身に付くだろうに、と腐してみることができます。しかし、「自分探し」のために世界を旅しているという元サッカー選手の場合は、すでに他の人にはまねのできない優れたサッカーの能力を持っているにもかかわらず、それを捨てて自らの隠された能力を探しているということになるわけで、結局はそれだけの機会費用をまかなえるだけの財産を有しているからこそできる、いわば金持ちの道楽なんですね。

もちろんイチローや松井が自分探しをするわけもなく、彼らはプロとして野球をすることによってもっとも機会費用を小さく、さらにそのことで本人も周囲も効用が増したり収入を大きくすることができるので、パレート最適な状況がもたらされているといえます。同じような状況にあって「いち抜けた~」と引退してしまうサッカー選手の心情が理解できなかったんですが、これで腑に落ちました。

というわけで、自分探しなんて機会費用の高い道楽は金持ちになってからやれよというのが、若くて資力もない人が「自分探し」をすることに対する違和感の正体だったんだろうと。もちろん、本人は若くて資力もないとしても親御さんがその機会費用を負担してくれるなら、やっぱり金持ちの道楽には違いないわけで、能力開発って結局は資力に帰着するってことです。だからこその所得再分配としての職業訓練が必要とされるんだろうと思います。

というのが頭の中で整理されてきたことなんだけど、こんなことを考えたのは「社会人基礎力」なるものを発見してしまったからなんですが、教育の職業的レリバンスを高めることには全く異論はないとしても、なぜ経済産業省なのかとまたもや頭がくらくらします。
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