2016年07月05日 (火) | Edit |
前回エントリで元カイカク派知事同士の選挙戦にwktkしていたところ、一時は増田氏に自公と民進が相乗りか?という怪情報も流れていましたが、増田氏に対する不安が各方面から示されていまして、まあ拙ブログとしても概ね同意するものが多いものの、元切込隊長ことやまもといちろう氏のこの指摘はさすがにちょっとフェアではないのではないかと思います。

その後、ちっとも地域経済が伸びず、借金増やしてまで使った金に見合った地方税が上がらないので、慌てて「岩手県行財政構造改革プログラム」なるものを策定し、今度は全力でブレーキ踏ん張ったもんだから、そのアクセル踏んでた時代に潤ってた県内の事業者が全部死んで、仕事を失った岩手県からの労働人口が大量に流出、高齢者だけが地元に残って岩手県の産業が壊滅しただけでなく若者もいなくなって過疎化が進んだというのが増田さんの治世の概略であります。

「増田寛也「ほとばしる無能」を都知事候補に担ぐ石原伸晃&自民都連(訂正とお詫びあり)(2016年7月4日 23時49分配信)」(ヤフーニュース個人)

増田氏の知事時代の任期は90年代後半から2000年代半ばまでですが、90年代前半のGATTウルグアイ・ラウンド対策の公共投資と、90年代半ばのバブル崩壊後や2000年前後のITバブル崩壊後の景気対策としての公共投資が相まって、特に後半は「少子高齢化による生活サービスの現物給付需要の自然増が重なり、その穴埋めとして国と地方の債務残高が激増していった(一部は小渕内閣時の財政拡張も寄与していますが)わけ」でして、日本各地で同じような現象が起きていたというのが実態でしょう。

実は以前某所で駄文を書かせていただいた際に、ちょうどのその時期の地方債残高のデータを都道府県別に収集しておりましたので、増田氏の知事時代の任期である1995年度から2007年度の都道府県債の増加率で順位付けしてみましょう(下表の単位は千円です)。
 1995年度2007年度増加率順位
新潟県1,095,680,3392,679,403,989244.5%1
岐阜県614,769,2981,394,568,453226.8%2
茨城県769,975,6381,732,986,693225.1%3
広島県901,336,5061,865,220,318206.9%4
愛媛県465,149,583961,052,999206.6%5
石川県577,915,0811,186,919,871205.4%6
北海道2,791,134,8925,569,652,787199.5%7
埼玉県1,525,164,9383,003,282,744196.9%8
山口県589,429,3341,143,145,855193.9%9
岩手県759,880,5551,470,396,528193.5%10
香川県397,853,313768,502,643193.2%11
島根県531,139,7841,022,978,183192.6%12
京都府721,326,8691,385,228,807192.0%13
鳥取県321,832,461615,993,932191.4%14
青森県685,727,2161,291,322,765188.3%15
徳島県515,231,365968,591,828188.0%16
福岡県1,360,253,3282,556,383,123187.9%17
鹿児島県869,073,6711,625,773,204187.1%18
千葉県1,258,939,6622,340,656,437185.9%19
山梨県486,976,157903,426,838185.5%20
静岡県1,218,023,1412,229,995,946183.1%21
神奈川県1,666,928,8003,047,916,738182.8%22
宮崎県507,412,164919,024,727181.1%23
福井県453,527,467818,483,708180.5%24
奈良県571,563,9601,027,511,809179.8%25
愛知県2,132,365,3533,827,054,096179.5%26
群馬県550,059,995961,081,085174.7%27
和歌山県460,056,838803,318,679174.6%28
滋賀県520,673,400909,003,407174.6%29
佐賀県372,640,129641,629,324172.2%30
秋田県721,200,1341,230,824,222170.7%31
福島県703,183,6941,196,480,741170.2%32
兵庫県2,213,353,0623,754,717,349169.6%33
三重県589,203,401991,812,768168.3%34
栃木県599,275,603997,145,265166.4%35
山形県660,629,3961,095,727,815165.9%36
大分県620,990,713996,966,902160.5%37
長崎県682,611,7961,091,972,825160.0%38
大阪府2,716,200,5994,336,366,398159.6%39
宮城県894,806,4681,392,827,205155.7%40
富山県662,248,2431,010,579,908152.6%41
熊本県898,090,8661,358,719,983151.3%42
岡山県817,406,9191,231,168,225150.6%43
高知県554,949,256787,609,377141.9%44
沖縄県468,360,796658,188,369140.5%45
長野県1,190,962,4831,496,615,858125.7%46
東京都5,814,239,3316,292,585,832108.2%47
総計46,499,753,99779,590,816,558171.2%
なんと、岩手県は堂々の第…! 10位ですね。まあ、全体の増加率が171.2%なので岩手県の193.5%という増加率は確かに高い方になりますが、220%越えで表彰台を独占した新潟県、岐阜県、茨城県に比べればちょっとおとなしめな印象もあります。これとは対照的にほとんど債務残高を増やしていない東京都がダントツの最下位でして、景気対策としての公共投資が都市部ではあまり重きを置かれていないこともありますが、そもそも自主財源でまかなえる東京都の地方交付税の不交付団体としての強さが光りますね。

ところで、やまもといちろう氏の記事で引用されている参議院予算委員会会議議事録で、増田総務大臣(当時)に質問しているのがこちらも異色の元カイカク派知事であられた田中康夫氏でして、GATTウルグアイ・ラウンドが閉幕する1994年度前後からの県債残高を東北6県と長野県で比較してみたグラフがこちら。
zandaka
1998年の長野五輪に向けての債務残高の増え具合が他の追随を許さない状況ではありましたが、まあ確かに田中康夫氏が在任中の2000年度から2006年度まで急激に債務残高を減らしていることが分かります。とはいえ、2000年代に入って他県が軒並み増加率を鈍化させのと歩調を合わせるように、増田氏の任期の終盤にかけても伸びが鈍化している様子もうかがえます。むしろ、増田知事退任後の2007年度から再び岩手県の増加率が上向いていますが、東日本大震災が発生した2013年度以降は、宮城・福島両県が債務残高を増やす一方で岩手県は減らしています。

まあ、このデータをどのように解釈するのかはご覧いただいた皆様にお任せいたしますが、やまもといちろう氏が取り上げているその他の増田氏の「政策」などについてはなおさら、東京都の有権者の皆さんが判断するべきものと思います。特に、前回エントリで取り上げているとおり、2007年の都知事選に立候補した浅野元宮城県知事のような「地元の財源は地元で使うべきという小学生のような論理で民主主義を語る方だったわけで、我々地方在住者にとっては東京都知事にならなくてよかったというべきか、東京都民はスバラシイ知事候補を逃してしま」うのかどうかは、地方在住者としても生暖かく見守りたいと思います。
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