2007年06月24日 (日) | Edit |
そろそろ年金問題もネタが尽きてきたところで、民主党をはじめとする野党の主張の破綻ぶりも見えてきたころですが、案の定さっき小沢一郎がサンプロで問いつめられておりました。この番組で最近声がでかくなりつつある財部何某って人は、実態のよく分からない経済政策シンクタンクとかやってる割に経済政策についてあまり明るくない感が満々ですが、さっきの番組では小沢一郎に対して「社保庁改革案で国税庁と一体化するという改革案は責任の所在を曖昧にするから矛盾している」というわかったようなわかんないようなツッコミをしておりました。これに対して小沢一郎は、
「これまで私が国会で提案していることをマスコミがきちんと伝えてないんです!」
と逆ギレです。

ええっと、宙に浮いた年金とかの何が問題で何が問題じゃないかをあやふやにしておきながら、なんとなく問題になりそうだとあげつらった野党と、それに乗ったマスコミ同士でこういう話をされてもねえ。サンプロでの話を聞く限り、どうやら小沢一郎の改革案とやらは、
「これまで官僚に任せっきりだった自民党政権では政策の方針を決めることはできない。官僚は優秀だが、この先行きの見えない世の中では方針や制度をどのように決めたらよいかわからない。だから、民主党は官僚に頼らない独自の政策をすすめる。」
という感じでした。うろ覚えで書いているので細かいところが漏れてるかもしれないけど、まあこんな感じでした。

とりあえず民主党のWebを確認してみたら、2週間ほど前に参議院選挙「政策の柱 10本」(注:PDFファイルです)というものが出されているじゃないですか。これがマニフェストってやつなんだろうかと思いつつ、今週閣議決定された「骨太の方針」(「経済財政改革の基本方針2007」に名前が変わりましたね)と比較してみようかと思ったんですが、民主党のこのたった3ページの政策の柱なるものでは比較しようがないですね。というか、どういう方針をたてるかというのは確かに政治家が担うべきでしょうけど、それを具体的にどういう制度として法制化するのか、それをどうやって運用するかという部分こそが官僚に頼るかどうかの分かれ目なわけで、そこには何の言及もないということは、まあ無責任ですな。

「官から民へ」とかいうことを主張する方々に共通していえるのは、なんで今まで官が供給しなければならなかったかという歴史的な経緯についての関心が欠如しているということです。民が供給できるものならば確かに官が供給する必要はないけど、非競合性と非排除性もつ公共財ってのは過小供給になってしまう、簡単にいえば公共財は元が取れないので民間では供給できないからこそ官が供給せざるを得ないというのはよく知られていること。だからこそ官が供給してきたわけで、確かに民間部門で同様のサービスが可能な公共財であれば「官から民へ」ということが意味を持つこともあるけど、何から何まで民間で供給できるなんてアナーキーなことを政治家が主張するという倒錯した状態ってのは誰が望んでるんでしょう?同じことはたとえば、地方分権すればすべての問題が解決するとかいう「日本解体論」みたいなことをいってる方々にもいえるけど、もし官僚機構に問題があるとしても、日本という単一国家を消滅させることがその問題を解決するための処方箋として妥当かってのはかなり疑問があります。

まあ、そんな大げさな話を持ち出すまでもなく、公共財である政策や制度運用ってのはふつうに考えて政府=政治家と官僚に頼らなければできないわけです。小沢一郎は政策さえ作ってしまえば勝手に世の中が動くとでもいうような幻想を世の中にばらまいていますが、その政策を具体化する法案を作るのでさえ、タコ部屋で官僚が数ヶ月とか数年籠もりきりになってやっとできるような高度な作業なんであって、さらにその運用となったらそれこそ官僚組織でなければ対処できませんよ。たかだか数百人の国会議員が、明治維新から連綿と続く官僚組織の持つ政策的蓄積や知的ノウハウを凌駕できるとは思えないので、官僚に頼らないなんてことを強調されるほどに、民主党に政権を任せようという気が失せるのは俺だけじゃないと思うんですが。

昨今の野党のやっている政権攻撃ってのは、結局国民の政府に対する信頼を落とすだけになっていて、ここまで国民の政府に対する信頼を落としたあとでまかり間違って政権を取ったりなんかしたら、民主党の政策なんてほとんどアテにもされない可能性が高そうです。というより、民主党が政権与党に対する対立軸を打ち出すことで選挙に勝とうなんて戦略を立てればたてるほど、マーケットの馬車馬さんがまとめられているように、ほかの野党に票を持って行かれることにしかなりません。しかも今の民主党に戦略らしきものがあるとすれば、単に対立軸をたてるだけではなく、現政権の政策を攻撃してその信頼性を下げることによって、与野党の相対的な力関係を均衡させようとしているように見えますが、それって単に野党が自らの政策立案能力を高めることなく政権を取ろうと横着しているだけです。ということは、結局与野党がより高い均衡を目指すんじゃなくて劣位の均衡を目指していることにしかなりません。野党がそういう政策攻撃を続ける限り国民には程度の低い政策しか提供されないことになるので、野党はくれぐれもその責任を重く感じて行動していただきたい・・・なんていってもいまの民主党には馬耳東風というのが冗談抜きで悲しくなります。(6月28日文言を整理しました)
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