2014年08月10日 (日) | Edit |
ということで、まさかの連載の『HR mics vol.19(FlashですのでiOSの方はご注意ください)』連載第7回目が、編集の海老原さん、荻野さんのご指導のおかげで無事掲載されました。ありがとうございました。

すでにhamachan先生が紹介されていますが、今回の特集は「錆びないミドルキャリア」ということで、ミドルキャリアの人事制度を実践している企業の事例が掲載されています。

海老原さんによると、これ以外にも「情報収集までは行ったものの、掲載許可がいただけなかった企業が多数あった」そうです。都銀、信託銀行、損保、建設、GMSなど、いずれも超大手の人気企業だそうで、こういうところに載っけて変なところから文句言われたりするのを恐れたのかも知れませんが、残念なことですね。

無限定なまま追い出し部屋なんぞに送り込むよりはるかに社会にとって有意義なことをしているのですから、是非堂々と好事例を出していって欲しいと思います。

『HRmics』19号は「錆びないミドルキャリア」特集(hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)2014年8月 7日 (木))

いやまさに、追い出し部屋に入れる側もそれをを批判する側もミドルキャリアをどう構築するかという議論もないまま日本型雇用における正社員としての処遇を求め続けている状況では、こうした実践から学ぶことは多くあると思います。今はすでに正々堂々と議論すべき段階にあるのではないかと思うところですが、掲載許可が出なかったというのは結局追い出し部屋を批判する方々の理解を得ることが難しいという判断なのでしょうか。こうして日本型雇用はそれを批判しながらどっぷり浸かっている方々によって維持されてしまうのですねえ。。。

ということで、今回も豪華連載(拙稿を除く)が目白押しですので、ぜひご高覧いただければと思いますが、日本型雇用慣行による弊害を批判するように見えてそれを維持する議論の典型として、拙稿では地方公務員法の改正について取り上げております。先月のエントリで「この5月に地方公務員法が改正されて「能力及び実績に基づく人事管理の徹底」が導入されたところですが、民間労働者の方々いつか来た道をまた歩くことになるのですねぇ(この地方公務員法改正の矛盾については次号の『HRmics』に掲載される連載で取り上げる予定です)」と書いていたのが今回の拙稿でして、「親方日の丸」も「年功序列」も民間企業と等しく公務員には当てはまらないとう趣旨で、前者については整理解雇に当たる分限処分、後者については職能資格給となっている実態をあげて反論する内容となっています。

でまあ、今回の改正地方公務員法はあくまで「職能資格給」を前提とした人事評価制度を導入するものであって、職務記述書によって職務を明確にして、その職務に対応して給与を支払う「職務給」に転換するものではありません。拙稿の方では結論がやや曖昧になってしまったのですが、職能資格給が経験や年齢によって職務遂行能力が向上し続けるという「年功的」に運用されている現状では、「年功序列ではない」というのはややミスリーディングだったかもしれません。拙稿で言いたかったことというのは、アメリカの占領下で制定された地公法は典型的なジョブ型であって、給与も「職階制」に基づく職務給の原則が採られていたものの、今回の地公法改正によって職階制が廃止された一方で、24条1項の職務給の原則はそのまま改正されずに残っているのは矛盾しているのではないかということでした。そしてその矛盾を生んだのは、総務省(の旧自治省)が日本型雇用慣行の現状について認識不足でありながら、「民間並みに」という各方面からのかけ声に動かされるままに改正したことが原因となっているのではないかと思うところです。

ついでに言っておくと、今回導入される人事評価制度では大きく分けて能力評価と業績評価を行うこととされていまして、これは2007年の国家公務員法改正に合わせる形となっています。といっても、今回の改正に先立って国家公務員と同様の能力評価と業績評価を行っていた自治体は、都道府県で37団体、指定都市で19団体、市町村で563団体でして、全体の34.6%に上ります。特に能力評価については都道府県、指定都市では100%実施していたところでして、そもそも改正前から地公法40条で勤務評定を行うこととされていたわけですが、職能資格給が広く取り入れられている状況がわかりやすく示されています。詳しくはこちらの「(参考資料)人事評価制度等」をご覧ください。

「地方公務員法等の一部を改正する法律」に関する説明会(総務省 平成26年6月9日(月))

なお、この資料の中に「資料5 地方公共団体における人事評価制度の導入等について(注:pdfファイルです)」というのがありまして、その最終ページに拙稿で取り上げた「級別職務区分表」の例が掲載されています。この職務記述書とは似て非なる区分表なるものの「標準的な職務」の欄をご覧いただければ、これっぽっちも職務内容が書かれていないわけでして、地公法がいくらジョブ型であっても、運用は典型的なメンバーシップ型であることが示されていますね。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック