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2013年08月11日 (日) | Edit |
この度の豪雨で、当地でも死者、行方不明者が出てしまう大災害となってしまいました。被害に遭われた方にお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方に心から哀悼の意を表します。地元の役所では昼夜を問わず対応に追われ、これからは膨大な復旧作業に取りかからなければならなくなります。こうした復旧作業のために業務量が大幅に増加することは災害が起きるたびに繰り返されることですが、東日本大震災の影響でそもそも業務量が増えている当地では、そのための人員不足がさらに深刻化しそうです。

たとえば、岩手県では豪雨の日の朝刊でこんな記事が出ていました。

東日本大震災:内陸市町村職員、1%派遣が目標 被災地応援で県 /岩手(毎日新聞 2013年08月09日 地方版)

 東日本大震災の復興事業に取り組む沿岸自治体の職員不足を解消するため、県は8日、「被災市町村人財確保連絡会議」を開いた。来年度、被災10市町村に、内陸21市町村から全職員の1%に当たる計80人を派遣する目標を初めて設定した。

 県市町村課によると、1日現在で沿岸10市町村が計585人を必要としているのに、県内外からの派遣は540人にとどまる。

 総務省を通じた他都道府県などの自治体職員は最多の136人。県内内陸市町村は昨年度は約70人だったが、今年度は56人に減った。県が「なるべく多く」と漠然と要請していたのに対し、「目安を示してほしい」との意見があり、目標を立てた。

 県は9月までに被災市町村に来年度の必要職員数を照会し、10月までに大枠を固め、12月ごろから人選する。【安藤いく子】

震災から時間が経過するにつれて復旧事業は本格化しますが、震災直後には「日本はひとつ」とかいいながら協力的だった全国の自治体でも、そうそう職員を派遣することはできなくなっています。そのため、県外の自治体ではなく県内の内陸部の自治体に沿岸部の自治体への派遣の数値目標を定めて、その人員不足を補おうとしたようです。しかし、今回の豪雨はまさに気象庁がいうとおり「これまで経験のない」規模のものでしたので、内陸部の災害復旧事業も膨大なものとなることが予想されます。今回の災害は、数値目標があるからといって、そのとおりに実現するとは限らないという現実を物語っているといえそうです。

というわけで、ニッチモの『HR mics vol.16(直リンができないので、ニッチモWebサイトからどうぞ)』連載第4回目が無事掲載されましたので、遅ればせながらお知らせします。任期付採用法という聞き慣れない法律で、人員不足が深刻な被災地で期限を区切った職員を大量に採用している状況を題材としました。記事のタイトルは、これまで拙ブログで何度も指摘していることではありますが、公務員が労働契約ではなく行政処分で働いているという法律上の位置づけに疑問を呈したものとなっています。

記事の中では、任期付採用職員の不安定な身分を中心に書いておりますが、実は、任期付採用職員を受け入れる側の自治体の職場にも課題があります。というのは、自治体の職場もご多分に漏れず典型的な日本型雇用慣行ですので、期限を区切って業務を限定した職員の処遇をした経験がありません。そもそも人員不足の中ですから、改めて任期付採用職員のための業務を用意して処遇を改めるなんて余裕があるはずもなく、通常の正職員と同じく恒常的な残業を命じたり、OJTの中で長期的にスキルを身につけるやり方が中心となります。

一方で、任期付採用職員に応募する方々は、一部には使命に燃えて現在の安定した職を辞めて被災地のために仕事をしたいという方もいらっしゃいますが、大半は通常の外部労働市場で職を失った方々が中心となります。その多くは、長期的な雇用の中でスキルを身につけるという日本型雇用の内部労働市場に入っていけなかった方々でもあるため、自治体の職場が求めるようなスキルを身につけられない方も散見されます。一方で、使命に燃えている方でも、「ぼくのかんがえたふっこうけいかく」というような持論を胸に秘めてきたために配属された業務(任期付採用職員は基本的に手が足りていない現場の実務を担当します)に不満を抱いてしまい、職場になじめないという方もいます。

私自身は制度としての雇用の流動化は必要と考える立場ではありますが、かといって、制度的、労務管理的な実態がないままでの雇用の流動化は、労使双方にとって望ましい結果とはならないと考えております。震災後の人手不足に対応するため、他の自治体からの派遣や任期付採用職員、さらに民間からの職員派遣や民間への業務委託など、さまざまな取組が進められていますが、雇用・労働の現場がそれに追いついていないというのが現状です。切り札など存在しない状況ではありますが、この経験を次につなげていくことが、制度としての雇用流動化の前提条件ではないかと考えます。
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