2007年01月24日 (水) | Edit |
納豆の問題がテレビ業界のみならずマスコミ全体で集中砲火を浴びておりますが、この状況に違和感を覚えるというのは、この情報過多の時代では重要なことと思います。データをねつ造したり言ってもいないことを言わせたりというのは確かにひどいことですが、そうやって問題になったのは、在京のキー局に限っても今回が初めてではありません。なのにマスコミ各社ともどうして鬼の首を取ったような報道ができるのかってのが、まず感じる違和感です。言論の相互チェックなんていう大仰なこと言わなくても、互いに批判し合うことで緊張関係が生まれて客観的な事実が放送されるならその意義も期待できますが、お互いに視聴率とか売り上げが上がるからというだけで、お互いにミスを食い合っている状況というのはウロボロスの蛇みたいなことにしかなりません。今回の問題がここまで大きくなったのは、納豆という食品の成分やその効果がある程度科学的に分析されているので、それを批判する側がかなりの確証をもって例の番組を叩くことができるからなんでしょう。

さて、みのもんたの視聴率稼ぎが夜にも進出しているわけですが、マスコミ各社さん、早くこれをねつ造で叩いてくださいな。夕張市に限らず国とか地方自治体の財政っていうのは制度の束が複雑に絡み合って成り立っています。そんなわけですから当然、地方自治体が破綻した原因というのはそんな簡単に一刀両断に特定できる代物ではありません。番組でも取り上げられているような国の景気対策の公共事業とか豪華な観光施設とかが一因だというのは真実でしょう。だからといって、その事業主体だからという理由だけで市役所が叩かれるのはお門違いも甚だしいわけで、事業主体とその事業を決定する主体が違うからこそ、国の景気対策として公共事業に付き合わされたという話にもなります。国の景気対策としての公共事業に責任があると認めるなら、その責任を市役所に負わせるという話は酷だよなあと思うわけです。納豆みたいに証拠を挙げづらいからってなんとなくそれらしいことを言えば批判になるというのが頭の痛いところですね。

これに追い打ちをかけるのが、市役所職員が半分近く辞めることについて「公僕に身を捧げたなら辞める前にやることがあるだろう」というみのもんたの言い分ですが、以前は「公務員が多すぎる」とか「給料が高すぎる」なんてことを言ってた舌の根も乾かないうちによく言えたもんです。しかも市長に直談判して言うことといえば「一人暮らしの老人を一軒一軒回れ」なんていう辺りは、公務員に勝るとも劣らないコスト感覚のなさです。

大変な仕事をやる人材というのは労働単価が高いわけで、医者とか弁護士の給料が高いのはあまり文句を言われないのに、銀行員とか公務員とかのサラリーマンってのはそんなことお構いなく、給料が低くても仕事できると考える人がこの国には多いんですね。商社やマスコミとかの給料が高いのには誰も文句を言わないのが不思議なところで、銀行員や公務員の給料の元手が預けた金だったり税金だったりするので敏感になるというなら、商社が扱う商品は商社の社員の給料分だけ値段が高くなっているわけだし、マスコミのスポンサーが払う広告料だけ商品の値段も高くなってるんだが。その給料の高さを考えれば、公務員の微々たる給料なんかよりもその効果は大きいかもしれない。商社の皆さんとかマスコミの皆さんが、「我々の給料を下げるから夕張市で販売する商品の値段を下げてください」とかいう話があれば、…なんてことあるわけないか。

しかも番組のクライマックスは、あの『平成三十年』ですよ!堺屋太一は経済企画庁長官だったし通産省官僚だったけど、彼の現状認識とか経済政策なんてのは上のリンク先でネタにされるようなものなわけで、これで危機感を煽ってしまうようなTBSは納豆問題のときの関西テレビみたいに謝罪会見を開くべきでは?この問題を取り上げ始めたころは、夕張市密着でお涙ちょうだいの壮大なプロジェクトにしようという魂胆がTBSとみのもんたにあるようにみえたんだけど、ことが市役所職員の退職とか財政援助とかシビアな話になってくると手のひらを返し始めましたな。さっきの番組で国の支援を求めた老人に面と向かって「それは違う!あなた達の問題だ!」なんて言い放つみのもんたが、昨日の朝の朝ズバでは、生出演した菅総務大臣をやり玉に挙げて「財政支援するという約束を取り付けましたよ!」と得意気に言ってたというのはどう理解したらいいのかね。あんまりべったりすると助けてくれと言われかねないから、「国が支援するっていってるから」なんて言いながらこれ以上は番組として深入りしないつもりなんだろうなあ。
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