2013年02月26日 (火) | Edit |
業務の都合と頼まれごとのため1か月以上更新できませんでしたが、一段落ついたということでぼちぼち更新していきたいと思います。更新できないうちにもいろいろとメモしておきたいこともあったのですが、まずは、先月書けなかった事件を備忘録として。

被災地支援の職員自殺 兵庫・宝塚市から派遣(日経新聞 2013/1/5 11:15 (2013/1/5 12:49更新))

東日本大震災の復興支援のため、岩手県大槌町に派遣された兵庫県宝塚市の男性職員(45)が、宿舎として利用する岩手県宮古市の仮設住宅で首をつった状態で死亡していたことが5日、分かった。自殺とみられる。

 宝塚市によると、遺体が見つかったのは3日午後7時ごろ。2日から連絡が取れなくなり、心配した家族が、宮城県南三陸町に派遣されている同僚に確認を依頼。仮設住宅を訪ねた同僚が室内で発見した。

 宛名のない遺書が残されており「ありがとうございました。大槌は素晴らしい町です。大槌頑張れ」と記されていた。

 男性は昨年10月から大槌町に派遣され、3月末まで滞在する予定だった。道路や住宅を再配置する土地区画整理事業などを担当し、復興計画に関する住民のヒアリング調査をしていた。

 宝塚市の中川智子市長は5日に記者会見し「誠実な人柄で、被災者に寄り添って頑張ってくれていた。無念でならない」と話した。〔共同〕

亡くなった職員の方に心から哀悼の意を表します。大槌町は、津波が役場庁舎を直撃し、町長と役場職員137人のうち32人もの職員が流され、2割以上職員が減った中で膨大な復興業務とそれに伴う予算を執行しなければならない状況にあります。当然、そんな膨大で多岐にわたる業務を8割以下の職員で遂行できるはずもなく、岩手県内はもとより全国の自治体から支援のために職員が派遣されているわけですが、その一人が自ら命を絶つまでに追い込まれてしまいました。

私もその詳細な事情は知りませんが、担当してた業務が土地区画整理事業というだけでもそのハードさがうかがわれます。一部のリフレ派と呼ばれる方々からすれば、高台移転なんて予算をつければすぐできるだろうとか思われてそうですが、それぞれの土地にはその所有者の複雑な事情が絡んでいます。昨年末の「報道ステーション」で、大槌町に他の自治体から支援で派遣された職員の特集がありましたが、都市計画課の現場レベルの職員すべてが他の自治体からの派遣職員でした。番組で紹介されていたのは箕面市の職員でしたが、地元の住民のなまりがきつくて言葉が理解できず、土地勘もないため筆の状況を現場で確認するにも手間取る様子が放送されていました。ただでさえ土地勘のない土地で膨大な量に膨らんだ復旧・復興業務に追われ、しかもその業務が土地区画整理となればその負担はかなりのものだったろうと推測されます。

だからといって、地元の職員ならすべて土地勘を持っていて土地区画整理もすぐできるわけではないのが現実です。職員ごとの得手不得手というのもありますが、そもそも土地区画整理に限らず、制度を運用するということは、制度の趣旨や問題点を理解するため、その問題点に実務の中でいかに対処するかということを経験するというプロセスを経る必要があります。そのような職務を担う人材として公務員がいるわけですが、その公務員は当時の経済財政諮問会議(「骨太の方針」)に基づく総務省の「集中改革プログラム」で、22年度までに大幅に削減されていました。要は人材がいなくなっていたということです。

したがって、全国の公務員が減っていますから、被災した自治体はもちろん、その支援に職員を派遣する自治体も復旧・復興のためのエクストラな業務に充てるだけの人員は擁していません。この状況に至っても、政権党が変わろうとも連綿と公務員人件費削減の公約は金科玉条の如く掲げ続けられていますから、今後もこの状況が変わる込み込みはなさそうです。被災地自治体の支援に行った職員が自ら命を絶つところまで追い込まれているという事実が、この現実の一側面を物語っています。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック