2012年06月10日 (日) | Edit |
一日早いですが、明日で震災から15か月が経過します。個人的な状況としては、とある方面からご依頼をいただいた件でブログの更新が滞っていたり、5月のデスマーチは何とか乗り切ったものの、6月に入って24年度の事業に取りかかることができるようになると、これまで滞っていた分を取り返さなければならず、相変わらずのデスマーチになりつつあります。まあ、これが本来の仕事と言えばそうなんですが、いい加減サービス○業から解放されたいところではあります。

そんな中で、ここ最近も何回か被災地に行く機会がありまして、これまでも拙ブログで指摘しているように土地利用が決まらず企業が再開できない状態が続いていて、内陸部への移転が増えて土地不足が深刻になっていたり、しばらくは以前のような仕事は再開できないという諦観が地元に広がっているように感じます。仕事を探している方にお話を聞く機会もあったのですが、役所に対する文句はそれなりにありながらも、言う方も聞く方も同じ話で飽き飽きしているような微妙な間がありました。2月の時点で「失業問題に対して雇用対策を講じるというのは一側面からの見方であって、その地域においてどうやって生活していくかというトータルな視点が必要となっている」と感じたことが、現実の対応として必要となってきていると思います。

もちろん、飽き飽きしないよう着実に復旧・復興の取組を進めなければなりませんし、実際に進んでいる分野もあるのですが、同じ話が繰り返されていくと、これまでの取組では効果がなかったのではないかということで、震災後には慎重に制度設計されていた事業がどんどん要件緩和されていったりということが起きています。

たとえば、拙ブログで継続的に取り上げていたCFWの取組も、当初提唱されたスキームでは1年間の期間限定で最低賃金を下回る賃金で雇用するものでしたが、1年を超えた現在も被災地では「みたす」CFWが重要な役割を果たしています。しかし、行政が実施するCFWは緊急雇用創出事業によって実施されているものがほとんどで、「緊急に雇用を創出する」事業で「みたす」CFWを継続することは、事業としての矛盾をはらむものとなります。

ところが、2008年のリーマンショック後に創設された緊急雇用創出事業もすでに5年目に突入し、「緊急に雇用を創出する」事業としての位置づけではなく、「人を雇って実施する事業なら何でも緊急雇用創出事業でできる」という認識を持つ役所関係者が増えてきているようです。この点は、半年ほど前に「震災以降の緊急雇用創出事業をどう位置づけるかが、戦後の「労働行政に取り憑いた夢魔」((c)hamachan先生)とまで言われた失業対策事業(失対事業)と緊急雇用創出事業が違うものとなるかの分かれ目になるのではないか」と考えていたことではありますが、なんというかこの半年間は、24年度の事業に向けてより安易に緊急雇用創出事業が実施されるようになっていると思います。

まあ、正直に言えば、私自身が関わっている事業が緊急雇用創出事業だらけでして、安易に実施しているのは私自身(の課)でもあります。全体の事業までは分からないので上記はあくまでの私の印象論ですが、震災前に比べて数倍に膨れあがった緊急雇用創出事業で雇用された方々が、緊急雇用創出事業が終了するとともに仕事を失う状況にある中では、震災からの復旧・復興が途上にある現時点で緊急雇用創出事業を終了させるという選択肢は事実上ありません。この点では「失業対策事業の「夢魔」」は着実に現実のものとなりつつあるといえるでしょう。

というわけで、周りの役所関係者は「緊急雇用創出事業で○○人の雇用を創出した」と発表しては成果を誇示しているところでして、私自身は「こうした安易な緊急雇用創出事業の実施は将来的に別の問題をもたらすのではないか? 創出した雇用は緊急雇用創出事業が終わったらどうなるのか?」ということは一応指摘するのですが、聞く耳を持たれることはありません。「難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する」というabz2010さんのブログタイトルが身に沁みますねえという愚痴でした。
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