2011年08月08日 (月) | Edit |
あまりこの件を取り上げるのは気が進まないのですが、

東海テレビ不適切テロップ、3日間で抗議1万件

東海テレビ放送(名古屋市)が4日に放送した情報番組「ぴーかんテレビ」で、岩手県産米のプレゼント当選者について不適切なテロップを誤って流した問題で、同社に6日夜までに寄せられた抗議の電話やメールが1万件を超えた。

 同社によると、6日は電話が午後6時までで約260件、メールが同9時までで約1600通に上った。放送日からの3日間では、電話約1300件、メール約9000通に達した。多くが岩手県など東北地方からで、抗議や関係者の厳正な処分を求める内容がほとんどという。

 同社は5日夕の特別番組で、問題の経緯を公表し、謝罪したが、愛知、岐阜、三重県の放送エリアだけだったため、6日夜、特別番組の概要と、岩手県庁などを役員が訪問して謝罪したことを同社のホームページに掲載した。
(2011年8月6日23時33分 読売新聞)
※ 以下、強調は引用者による。


で、「同社のホームページ」に「事実関係のご報告」というのが掲載されています。

1)なぜ常識を欠いた不謹慎なテロップが放送現場に存在したのか?

  • 問題のテロップは・・・
  •  [1]CG制作を担当する50代の男性スタッフにより作成された。
     [2]CG制作担当者が、実際に当選者の名前を記入する前の仮のものとして「ふざけた気持ち」で作成してしまったものだった。
     [3]CG制作担当者に渡す発注書には、不謹慎な文言は記載されていなかった。
  • 8月3日(水)(=放送前日)にテロップ画面をタイムキーパー(以下TK)が確認、その場で訂正を依頼した。しかし、CG制作担当者はそれを訂正の依頼と認識せず、そのまま放置した。
  • 8月4日(木)(=放送当日)朝、TKが問題のテロップを再度確認し、改めて訂正を依頼したが、CG制作担当者はこの時点でも「訂正の依頼と認識せず」放置した。
  • 「訂正」を巡るスタッフ間の理解の食い違い、テロップをチェックすることになっているディレクターに、問題のテロップの存在が伝わらなかったことで、チェック機能が働かなかったという管理体制の甘さにより、常識を欠いた不謹慎なテロップが、放送の最終段階まで残ることになってしまった。


【お詫び】「ぴーかんテレビ」内での不適切な表現の放送について」(東海テレビ放送株式会社


「怪しいお米 セシウムさん」という意味不明な文章が「ふざけた気持ち」で書かれたのであれば、「ふざけんな!」というだけで済むだけかもしれませんが、そういう「気持ち」の方がむしろ本音ではなかったのではないかと勘ぐってしまいます。つまり、ごく一部ではあっても、その「気持ち」が視聴者の本音を衝いてしまったために、こうした騒動になってしまう面もあるのではないかと。もし、本当に「ふざけた気持ち」だけだったのであれば、こんな風評被害なんかは起きなかったはずです。

被災の松使う「送り火」取りやめ 放射性物質に不安の声2011.8.6 14:06 MNS産経ニュース

 京都市で16日に行われる「五山送り火」の一つ「大文字」の護摩木として、東日本大震災の津波で流された岩手県陸前高田市の松を使う計画が、放射性物質の汚染を不安視する声を受け、取りやめになったことが6日、関係者への取材で分かった。

 大文字保存会は京都に松を運ばず、陸前高田市で迎え火として使う方向。代わりに、遺族が祈りの言葉などを書き込んだ松の護摩木を写真撮影して別の木に書き写し、大文字で燃やすよう調整している。

 京都市文化財保護課や同保存会によると、報道などで知った市民から7月に入り、「放射能汚染が心配」などの声が寄せられた。松から放射性物質は検出されなかったが、保存会は議論の末、8月に入って取りやめを決めた。

はてなブックマーク - 【放射能漏れ】被災の松使う「送り火」取りやめ 放射性物質に不安の声 - MSN産経ニュース

aliaki
発案者の人のブログhttp://huji.hinamaturi.lolipop.jp/?eid=1437065 によると相当ひどい誹謗中傷がよせられたようで… 彼らにとっては東日本全体が’穢れ’なんでしょーね。 2011/08/06


こうした反応が広がっているのは、福島県を「フクシマ」などと記述して放射性物質の危険性を必要以上に煽りまくったマスコミや、それに乗じて自説を展開しようとする評論家や一部の学者連中が、被災地を「穢れ」たものとして認識する国民感情を醸成したからではないでしょうか。東海テレビのスタッフも、そういう認識が広がる中で生活していたからこそ「怪しいお米 セシウムさん」などと常軌を逸した言葉を思いついてしまうのでしょうし、CG製作担当者が「それを訂正の依頼と認識」しなかったような指示しか出さなかったタイムキーパーも同じ認識だったのだろうと邪推します。

東海テレビや保存会の方が謝るのは分からないではないんですが、彼らもそうした「圧力」や「利害関係」の中で活動しているわけですから、ここで問題になるのはその「圧力」や「利害関係」の中身なのだろうと思います。危機を煽って冷静な判断を奪っている何者かが、マスコミやネット界隈には数多く徘徊しているように思います。東海テレビのスタッフや保存の会に苦情を寄せる市民がそういう行動をとってしまうような認識を広めた方々にこそ、被災地の方々に謝っていただきたいのですけれどもね。
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コメント
この記事へのコメント
後半の部分は、京都の人が自らを大いなる村社会ということに対応しているもので、そんなに大上段に構える必要あるのかな、と思います。
察するに、村社会だから、中には「いけず」な人もいて、岩手のまきなんて燃やすのはいやと駄々をこねたら、コンセンサスができないので、やらなかったということではないですか。村社会なので、内部のことばかり気にしていたら、外から思わぬ強風が吹いて来て驚いたと。
報道によれば、5山のうち、4団体が受け入れをきめたとのことですが、京都らしく、村の論理を貫き、方針を堅持した1団体のほうが、共同体という意味では、本来の在り方なのでは。
いずれにしても、京都らしいお話で、マスコミ批判一般論に還元しない視点が、このブログにはふさわしいのでは。
2011/08/11(木) 05:32:36 | URL | yunusu2011 #-[ 編集]
> yunusu2011さん

ご教示ありがとうございます。
私は京都に行ったことがないので、村社会ゆえかどうかはよく分からないというのが正直なところです。本エントリで取り上げた二つの事件は、恐怖感を煽られた感情論に起因するという点で共通するのではないかというのが私の印象です。

その点からいえば、本エントリの趣旨は必ずしもマスコミ批判に留まるものではなく、恐怖感を煽る報道を求めるような感情が一般の方々にもあって、それがたまたまマスコミのスタッフや保存会に意見した市民の思いが形として出てしまったのではないかと邪推したものです。

これはあくまで邪推ですので、私の一方的な妄想であればそれに越したことはありません。ただ、この機に乗じて脱原発とか地域主権とか日銀の国債引受とか「新しい公共」とかを主張する方々に顕著ですが、「自分だけが分かっている危機感や恐怖感があって、それを広めなければいけない」という使命感が転じると、煽り属性と煽られ属性を同時に持ってしまう方が多いような気がします。もちろん自戒を込めて。

それ自体はある意味避けられないことかもしれませんが、慎重さを欠いてしまうと、本人に悪気があってもなくても、それがマイノリティに向かえば差別になって、権力に向かえば政府・公務員叩きになって、原発に向かえば東電叩きと原発周辺への風評被害となるということではないかと思います。
2011/08/12(金) 07:16:09 | URL | マシナリ #-[ 編集]
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