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2011年08月03日 (水) | Edit |
さて、前回エントリで骨子案を取り上げた基本方針が決定したとのことで、骨子案と比較してみました。

②雇用対策
()被災地におけるきめ細やかな雇用対策の実施により、仕事を通じて被災者の生活の安定を図り、被災地の復興を支えることが重要である。このため、復旧・復興事業等による確実な雇用創出、被災した方々の新たな就職に向けた支援、雇用の維持・生活の安定を政府を挙げて進める「「日本はひとつ」しごとプロジェクト」を推進する。
また、新たな雇用機会創出のため、雇用創出基金を活用するとともに、被災地域の本格的な雇用復興を図るため、産業政策と一体となった雇用面での支援を実施する。
さらに、雇用対策をより効果的なものとするとともに、復旧・復興事業における適正な労働条件の確保や労働災害の防止等のため、被災地域におけるハローワーク等の機能・体制の強化等を行う。
()被災地域における人口減少・少子高齢化に対応するため、第一次産業等の生涯現役で年齢にかかわりなく働き続けられる雇用や就労のシステムを活用した全員参加型・世代継承型の先導的な雇用復興、兼業による安定的な就労を通じた所得機会の確保等を支援する。若者・女性・高齢者・障害者を含む雇用機会を被災地域で確保する。
()女性の起業活動等の取組みを支援するため、被災地におけるコミュニティビジネスの立ち上げの支援、農山漁村女性に対する食品加工や都市と農山漁村の交流ビジネス等の起業化の相談活動、経営ノウハウ習得のための研修等の取組みを支援する。
()被災地の人口構造や職業構造の特性に留意し、個人事業者や商店等の復興による雇用を目指す。

東日本大震災からの復興の基本方針(平成23年7月29日、pdfファイルです)」(東日本大震災復興対策本部)pp.12-13
注:以下、機種依存文字をそのまま引用しています。

骨子案になかったものとして、()と()が追加されているようですが、これって雇用対策なのかなという疑問はなきにしもあらず。またぞろ「コミュニティビジネス」とかいって希少資源の付加価値を高めて利潤を稼ぎなさいとおっしゃるようですが、希少資源が広く分布しない以上成功例はごく限られるわけで、それでもって雇用が生み出されるというのは、一部の成功例を強調してその他の失敗例をなかったことにするナントカ商法の匂いを感じてしまうのですが、まあ、現政権はもともとそういうところですから。
さらには、あれだけハローワークを余剰人員扱いして民間でもできると騒いでいたのがウソのように「被災地域におけるハローワーク等の機能・体制の強化等を行う」という文言が最後まで残ったようです。もともと被災地のハローワークは、平成18年6月30日閣議決定:「国の行政機関の定員の純減について」に基づいて粛々と統廃合・人員削減が進められていましたから、「被災地における」と限定しているところがミソなのでしょう。まずは先進国でももっとも貧弱な積極的労働市場政策が見直されたことは喜ばしいのですが、もちろん公務員人件費が諸悪の根源とされる昨今で正職員が増えるわけはありませんから、非常勤職員や臨時職員という官製ワーキングプアの方が増えてしまうのだろうと懸念されるところです。

それにしても、()は具体的に何をしようとしているのかさっぱりわかりません。「全員参加型・世代継承型の先導的な雇用復興」とか「兼業による安定的な就労」ってどこを縦読み?

さらに、あれ?職業訓練がなくなっている?・・・と思ったら、職業訓練は次の「教育の振興」を挟んで次の項目で取り上げられています。

④復興を支える人材の育成
()被災地における当面の復旧事業に係る人材のニーズや、震災後の産業構造を踏まえ、介護や環境・エネルギー、観光分野等の成長分野における職業訓練の実施や、訓練定員の拡充、産業創出を担う人材の育成等を行う。
()被災地において、グローバル化や産業の高度化など、地域社会・地元産業のニーズに応え、我が国の復興を牽引する人材を育成するため、大学改革を進めるとともに、大学、高等専門学校、専門学校、高等学校等における先進的な教
育の実施や産学官連携の取組みを支援する。
()被災地における地域産業の高度化や新産業分野での専門的人材育成に資する実践的なキャリア・アップの仕組みや育成プログラムの整備等を推進する。

「同」p.14


職業訓練が人材育成に位置づけられたことは、ある意味で学校教育と同様の扱いとなったといえるのかもしれませんが、これまでの職業訓練の扱いを踏まえると微妙な感じもします。オイルショック後の職業訓練は、企業内教育のサポートとして位置づけられながらリーマンショック後に離職者訓練として拡充されていましたが、成長分野や新産業分野の人材育成に結びつけられることで、デンマークなどで行われるモビケーション(職業移動を支援する職業訓練)が制度化される可能性もありそうです。具体的な制度設計に注目してみたいところです。

といっても、被災地の状況は悠長に制度設計など待っていられる状況ではありませんので、会計検査院やらオンブズマンの後出しジャンケンに恐れおののきながら、今ある制度の中でやりくりするしかないのでしょう。そもそも、民意にしか支持基盤を持たない現政権がまともな制度設計を「政治主導」できるかということ自体が、大いに疑問ではありますが。。。
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