--年--月--日 (--) | Edit |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


2006年09月09日 (土) | Edit |
岐阜県の裏金問題が明るみになって、梶原前知事まで責任問題が広がってきました。これにはやっぱり同業者として突っ込んでおく必要があろうというもの。

まずはじめにお断りしておくが、俺の所属している組織ではこの問題は解決済みである。裏金問題は確かに存在していたが、俺が採用される前のいわゆる全国的な食料費問題のときに、俺の知っている限りはすでに精算されている。なので、なんで今更こんなことしてるんだろうというのが第一報を聞いたときの印象だった。

ただし、裏金問題が発生する背景をきちんと整理しなければこの問題を論じることはできないということは、一般の方々にもご理解いただきたい。裏金というのは、要は表だって使えないことがあるからそのための原資として存在する。つまり、裏金に対する需要があるからこそ、裏金としてプールして供給する必要があるのである。

この点について、岐阜県の「プール資金問題検討委員会」による不正資金問題に関する報告書では、多少引用が長くなるが次のようにまとめている。

このような不正な経理による資金づくりが行われた背景には,その要因として,一方で,正規の予算には計上できないが,当時の県の各所属の業務を遂行していくために必要と考えられていた費用(たとえば官官接待費用,土産代,予算措置が講ぜられなかった備品等の購入費用等)を捻出する必要性があったこと(資金づくりはこのような費用に充てるための必要悪という意識があったと考えられる),他方で,いわゆる予算使い切り主義の予算執行が行われていたため,予算を年度内に使い切る必要があったこと(予算を全額使わず,これを余して返還することになれば,次年度の予算が減らされる可能性が高く,また,その担当者の予算見積もりの甘さを指摘される可能性もあったこと)等の事情により,いわば一石二鳥的な発想で,このような不正な経理による資金が作られてきたものと考えられる。


ここでは裏金(岐阜県の用語を使えば「不正資金問題」となるが)の需要として2点が指摘されている。つまり、

  1. 1.正規の予算には計上できないが,当時の県の各所属の業務を遂行していくために必要と考えられていた費用

  2. 2.予算使い切り主義の予算執行


である。しかし、2は制度上の運用の問題なので少なくとも制度上の改正は可能だろうが、1を根絶することは制度上も実務上もそう簡単ではない。1の内訳については12ページ以降の「費消内容」にまとめてあるが、「(2)職員の費消」は問題外として、「(1)業務に関連した費消(通常の予算では支出しにくいもの)」は、その標題のとおり通常の手続きでは支出しにくいか、緊急を要するのに支出に時間がかかりすぎるパターンがいくつか列挙されている。たとえば、(1)の10、11、12、18といった施設の細かい修繕費や、紙が足りなくなったり会議で使う封筒が足りなくなったりしたときの補充、さらには研究機関で必要になる研究資材や参考文献のような、事前に予測できない経費を予算化することに根元的な困難さがあるのである。組織別にみたときこの傾向がはっきりするが、学校や農業試験研究所のような小規模な組織において、所管の施設を持ちつつ研究したり会議を開催するとなるとどうしても不確定要素が大きくなるにもかかわらず、予算規模は組織に比例して小さくなるので、十分なバッファを確保することができない。その予算上のバッファの代替機能を裏金に負わせることになるのである。

もちろん、(1)の経費でも官官接待とか職員の残業時の弁当代なんてのはすぐになくすべきだし、上記の緊急の支出でも通常の手続きで対応できたものまで安易に支出したものもあるかもしれない。しかし、緊急の場合の支出手続きの不備のためやむを得ない支出までは、それが通常の制度上の不備に起因する以上その制度を前提とする限り解決できない。
ところが、この報告書での「第9 再発防止に向けての提言」ではそういった制度面に踏み込んだ記述が一切ない。かろうじて「4 内部チェック機能の強化・充実」という項があるが、あくまで平成13年9月の「会計事務改革に関する基本的な方針」を前提とした審査・確認体制の強化、検査体制の強化といった会計事務のチェック機能と監査業務の充実という程度にとどまる。つまりここでいっているのは、制度の不備は職員個人の心がけや自助努力で防ぎなさいという責任転嫁である。すなわち、再び裏金問題が発生したときに組織としての責任が回避できるのである。困ったもんだな。

以上が制度上とそれにまつわる運用の問題であるが、この問題は岐阜県特有の事情が見え隠れする。つーか、この報告書とにかくおもしろい!
こういう問題でおもしろいというのは不謹慎とは思うが、随所に前梶原知事に対するそこはかとない報復意識が漂っていていていろいろな葛藤が想像できるのだが、これは長くなるのでまた今度指摘してみたい。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。