2009年12月26日 (土) | Edit |
今回も前回エントリは前振りでして、yellowbellさんのエントリを拝見して唸らされてしまったので自分の「労働」観と照らし合わせてみました。というか、この部分を読めただけでも大きな収穫です。

「育休取るって、お前の仕事は誰がやるんだよー」なんて上長もよく見かけますが、そのために管理職の権限を持っているのです。上司には早いとこ休暇中の業務体制を示してもらって、休みまでに誠実に引き継ぎができるようにしなくてはいけません。もし「休んでいいけど、お前の代わりは自分で見つけて引き継ぎしとけよ。俺は知らんぞ」という上司がいるなら、その上司が部下への指揮命令を怠ったことになり、自分の義務を果たしていないことになります。その場合は、ちゃんとそれを指摘して、それでもわからない場合はさらにその上長に相談をすべきです。「そんなことできっこないよー」という職場で、なおかつ組合がないようなら、それは慢性的に権利侵害が放置されている、いわゆるブラックな企業です。労働基準局あるいは労働基準監督署は、いかめしい名前と違って高圧的な空気もなくとても優しいですから、上司だけでなく企業そのものに取りつくシマがなければぜひ相談にいってください。案外おどろくほど、そういう会社の問題は把握されてたりしますから。

労働者の義務と職場のジレンマ(2009-12-14)」(背後からハミング
※ 以下、強調は引用者による。


ええと、われわれコームインはいくら国民の皆様のために働こうが、当の国民の皆様にとっては「税金で飯を食う公僕という名の奴隷」であって「こいつらの人件費のせいで財政が悪化した」元凶でしかありませんので、小泉内閣時代に閣議決定された「国の行政機関の定員の純減について」においては、

国の行政機関の定員(平成17年度末定員を基準とする。以下同じ。)332,034人に対して、平成18年度から22年度までの5年間で5%以上の純減を行う。

平成18年6月30日閣議決定:「国の行政機関の定員の純減について」」(行政改革推進本部事務局・国家公務員制度改革推進本部事務局


とされております。現下の景気低迷の折でハローワークの人員不足が深刻となっていますが、実はこの閣議決定において

①  ハローワーク・労働保険(労災)関係17,178人について、定員管理による純減のほか、次のとおり、業務見直しにより738人を純減する。
- 職業紹介関連業務について、市場化テストを含む民間委託により501人を純減
- 労働保険の適用・徴収関連業務について、民間委託や社会保険との滞納整理の一元化等により202人を純減
- 雇用保険三事業の助成金の審査・支給業務の効率化により35人を純減
②  以上のほか、次の見直しを行う。
- 職業紹介業務について、社会経済情勢の変化に応じて、民間参入の拡大や民間委託等を推進する。
- 雇用保険三事業の廃止を含めた徹底的な見直しについてできる限り早期に結論を得て、それに応じた定員の純減を行う。
- 社会保険・労働保険の適用・徴収業務について、整合的な情報システムを構築しつつ徴収事務の一元化等の取組を着実に進め、実施体制の効率化と利用者の利便性の向上を推進する。

平成18年6月30日閣議決定:「国の行政機関の定員の純減について」」(行政改革推進本部事務局・国家公務員制度改革推進本部事務局


とされていたのも遠因となっています。市場化テストの結果がどうなったかは周知のとおりではありますが、いずれにしても国民の皆様の代表である閣僚の方々が「人件費を増やすのは認めない。ダメ。ゼッタイ。」とおっしゃる限り、物件費でその賃金が計上される非常勤職員や臨時職員で対応するしかないわけで、それが官製ワーキングプアを多数生み出していたりもするんですが、むしろ「コームインどもが酷い目にあっていい気味だ」という反応が多いように思うのは気のせいでしょうか。

もちろんこれはハローワークなどの国家公務員に限った話ではなく、地方自治体も「今後の行政改革の方針(平成16年12月24日閣議決定)」において

(2)   地方行革の推進
ア   地方公共団体の行政改革については、これまでも平成9年の「地方自治・新時代に対応した地方公共団体の行政改革推進のための指針」(以下「平成9年地方行革推進指針」という。)等に基づき地方公共団体に積極的な推進を要請し、各地方公共団体において真摯に取組が行われてきているところであるが、社会経済情勢の変化を踏まえ更に積極的な取組を促進するため、以下の事項をはじめとする行政改革推進のための新たな指針を平成16年度末までに策定する。
(ア)   地方公務員全般にわたる定員管理及び給与の適正化の一層の推進等
  地方公務員の定員管理については、平成9年地方行革推進指針に基づき、各地方公共団体において数値目標を定めた行政改革大綱を策定するなどの取組が行われてきているところであるが、社会経済情勢等を踏まえ、更なる定員管理の適正化をより強力に進めるとともに、定員適正化計画の策定・見直しを推進する。
  地方公務員の給与については、なお一部に見られる不適正な給与制度・運用について、業務の性格や内容を踏まえ、その適正化を強力に推進する。特に特殊勤務手当等の諸手当について各地方公共団体自らが総点検を行うとともに、昇格・昇給の適切な運用について、重点的な取組を行うよう要請する。また、地域の民間給与の状況をより的確に反映し決定できるよう、人事委員会機能の強化をはじめとして、地方公務員の給与の在り方の見直しに向けた取組を推進する。
  さらに、地方公務員の定員・給与等の状況の公表内容の充実を図り、議会や住民への情報公開を徹底する。

● 今後の行政改革の方針(抜粋)」(地方公共団体における行政改革の取り組みについて(地方行革コーナー)


とされております。つまり、yellowbellさんがご指摘されるブラック企業の要件である「「そんなことできっこないよー」という職場」については、国の役所も地方の役所も余裕でクリアしているわけです。さらにいえば、ご承知のとおりコームインは団結権、交渉権、争議権の労働三権をフルには認められていませんので、もう一つの要件である「組合がない」も、民間企業を基準として考えればクリアしてますね。

以上から、コームインが働く役所は「ブラック企業」であるという結論が導かれました。うすうす感じてはおりましたが、こうはっきり認識してしまうとモチベーションが上がりませんなあ・・・というか、私が「経営者目線のカイカク」を執拗に批判する理由もここにあるわけでして、他人の職業や待遇について「経営者目線」で批判することは回り回って労働者であるご自身に跳ね返ってくるというカラクリについて、冒頭で引用したyellowbellさんのエントリでご確認いただければと思います。

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コメント
この記事へのコメント
はてブでコメントいただきました。
http://b.hatena.ne.jp/entry/sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-365.html

> ColdFire 労働 このまま停滞が続いた場合、総選挙の回数を重ねるにつれ役所はブラック企業度を加速度的に上げていくことでしょう。その程度ですむわけはないのですよ。 2009/12/27

ルサンチマンが解消されないかぎりおっしゃるとおりでしょうね。

唯一の希望は現政権が公務員への労働基本権の付与を公約に掲げていることで、実現すればブラック企業の要件の一つは挽回(?)できることになります。ただし、労組法の改正がなければ労働組合によってブラック企業を脱することは難しいという現状は変わらないと思いますけど。
2009/12/28(月) 01:55:04 | URL | マシナリ #-[ 編集]
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