2009年11月16日 (月) | Edit |
性懲りもなく事業仕分けについてのエントリを連投してしまいます。

結局のところ、総額95兆円にも上った当初予算というのは一般会計予算のことなので、削減するとしたら特別会計に押しつけて一般会計を見かけ上減額するという手段しか残されていないということが判明しつつありますね。基金の返還も同じような文脈で行われているんでしょうから、事業仕分けの内実は一般会計の支出を別の会計に押しつけるか、支出済みの基金を寄せ集めることが大半となるのでしょう。

こういった事業仕分けの手法をどう評価するかについては、ブログ界隈でも否定的な意見が多いようで、特に科学技術開発費についての蓮舫氏の無双ぶりが話題となっているようです。もちろん、ずっと俺のターン!的な蓮舫氏の言動を支持する気は毛頭ありませんが、この競争的資金とか科研費というような予算は、とにかく文科省に提出する書類が煩雑だとか評価基準が論文数などの指標に偏っているという批判が絶えなかったもので、予算が多いか少ないかという以外の点にも多くの問題があったのではないかと思います。

ところが、評価コメント欄をみてみると、

●一旦総合科学技術会議なりに戻して、何を実現するために何が必要かを見直すべき。ハードの戦いではなく、ソフトの戦いをするべき。
●総合科学技術会議への差し戻し、再検討。科学技術の必要性、重要性は理解できるが、国民
の理解には至っていない。世界一の頂のみを目指す時代ではない。

(独)理化学研究所(1)(次世代スーパーコンピューティング技術の推進)評価コメント(注:pdfファイルです)」(第3会場評価結果


とやたら総合科学技術会議への差し戻しが強調されているようなんですが、これって査定の仕方をもっと厳しくしろといってるに過ぎないわけですよね。「競争的」資金を査定するということ自体が矛盾を抱えているように思いますが、特に財務省が示した論点によると、

○先端研究への助成を行う競争的資金制度が、他省庁を含めて多数創設されているが、互いに重複しており、以下のような問題があるのではないか。

 (注) 先端研究のための資金を含め、競争的資金は政府全体で8府省47制度。うち文科省で24制度もある。

・制度毎に審査委員会や担当者が存在し、申請書の様式も使用ルールもバラバラで、研究者にとって大きな負担となっている。
・制度の趣旨や仕組みに違いはあるものの、結局は大学等の研究者の支援に充てられている。この結果、一部の研究者に資金が集中し、一人の研究者で10種類以上も競争的資金を受けているケースも見られる。

 ※ 総合科学技術会議において、以下のような指摘もなされている。
 ・競争的資金制度の創設が進んだが、各府省や配分期間で制度が細切れ。
 ・研究費の不正使用の事案が後を絶たない。
午後の部(11)【PDF形式】」(行政刷新会議ワーキンググループ・配布資料(11月13日)


というものですが、正直ワケがわかりません。競争するという以上事業の数を増やす必要があるだろうし、評価に基づいた割り当てが行われるなら(あくまで制度上の評価でという意味ですが)一部の「優秀」な研究者に資金が集中するのも当然ではないかと思うわけで、もっと競争しろというのか、それじゃダメだから査定を厳しくしろといいたいのかのかはっきりしませんね。

ただ、こういう支離滅裂な査定を要求するような財務省の体質については、例の橋本行革において予算編成権を大蔵省から分離させ、経済財政諮問会議と総合科学技術会議へと移管したことが大きな影響を与えていると思います。これによって、経済運営も科学技術も(少なくとも形式の上では)財務省が査定すべき所管から離れてしまい、財務省にはただただ予算を削減するという使命しか与えられていないわけで、財務省が予算を切り込む事業仕分けを主導するのも政治主導の帰結といえます。

むしろ、細川内閣に端を発するカイカク競争の結果、橋本内閣が生み出し小泉内閣が最大限に活用した「政治主導型予算編成」システムの正当な後継者こそが鳩山内閣であって、だからこそ「脱官僚」と「政治主導」を掲げる鳩山内閣が予算削減を使命とする財務省と親和的になるのだろうと思います。今のところ、小泉内閣を支えた経済財政諮問会議に匹敵する組織が機能していないため、鳩山内閣の「政治主導」は財務省に依存しまくりではありますが、国家戦略局なるものが本格的に始動したとき、鳩山内閣がその破壊力を遺憾なく発揮することになるのしょう。
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