2009年11月15日 (日) | Edit |
というわけで、前回エントリで思いっきり読みを外してしまった「個別労働紛争対策の推進」についての事業仕分けが11月13日(金)の16時くらいから行われまして、仕事しながら流し聞きしておりました。ライブ中継を聞く前に、配付資料がアップされていた(こちらページの午後の部(7)から午後の部(8)にかけての資料)ので打ち出してみたら、財務省による「論点等説明シート」ではこう書いてあるではありませんか。

○「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づいて、個別労働紛争に関して、学識経験を有するあっせん員からなる「紛争調整委員会」があっせんを行うもの。
○一般会計が負担しているが、労使間の紛争解決に要する経費は、事業主が負担するべきものではないか。

(参考1)都道府県労働局などに配置され、労働問題に関する相談や情報提供を行う「総合労働相談コーナー」に要する経費は、労働保険特別会計の労災勘定および雇用勘定から折半するかたちで支出。

(参考2)事業費の全体像

(単位:百万円) 
 

21年度
当初予算要求

22年度
概算要求額

 
一般会計183275 →「紛争調整委員会」
に要する経費

労働保険特別会計
(労災勘定)

653645 →「総合労働相談コーナー」
に要する経費
労働保険特別会計
(雇用勘定)
653645

午後の部(8)【PDF形式】」(行政刷新会議ワーキンググループ・配布資料(11月13日)


というわけで、財務省サイドとしては、「個別労関係紛争なんて労働問題やらで騒いでいる一部の労使の受益者のためのものなんだろ? たったら、一般会計じゃなく事業主負担の特会で面倒みやがれ!」という趣旨で事業仕分けの対象事業としたようです。事業仕分けってつくづく事業の中身なんかには興味ないんですねえ。

まあ、よく考えてみれば、ここ十数年間にわたって政労使が入り乱れて議論した個別労働関係紛争の担い手論などというマニアックな話に財務省が興味を示すわけありませんから、開けてビックリというより前回エントリが勝手に身構えてしまったというところですね。

ただし、議論の中で枝野議員が「弁護士の法律相談が高すぎるという欠陥があるので、特に労働問題で生活の糧を失った労働者に対して門戸を開くためには、行政が相談機能を提供することが必要」という論陣を張っていたのを聞いて、枝野氏も紛争処理の現場を知る弁護士としてハードルの高さを認識されているのだなと見直しました。特に、財務省の示した論点に対して「あなた方の論理では、民事裁判も受益者が限られているから一般会計から支援するべきではないということになる。そんな理屈は通らないのではないか」と、どちらが事業仕分けされているのかと思うほどに財務省に対して問い質していて、やはりご自身が直接関わっている問題だからこそ的確な批判ができるということを再認識させていただいた次第です。

まあ、そうはいっても最終的な評決結果は

とりまとめコメント
ワーキンググループとしての結論は見直しを行う。具体的には、紛争調整委員会の費用を特別会計に移管する。
なお、特に立場の弱い労働者(非正規雇用)への施策として広く一般財源を投入することが現段階では必要、との意見があったことを申し添える。
評価者のコメント 事業番号2-21 個別労働紛争対策の推進(注:pdfファイルです)」(第2会場評価結果(11月13日)


だそうで、辛うじてなお書きで立場の弱い労働者についての配慮が記載されたものの、直接労使紛争処理に関わらない財務省の思惑どおりの評決となったようです。事業仕分けの議論を聞いていても、全体的に枝野氏以外はほとんど興味がなさそうでしたし、はじめから趨勢が決まっていたという点では前回エントリもそれほど的外れだったわけではないのかもしれません。

そういえば、先月強化月間を実施したばかりの労働委員会の個別労働関係紛争処理が、厚労省の資料で歯牙にもかけられていないというのは、なかなか趣深いものがありますね。


追記:
念のため、個別労働関係紛争処理の経費を労働保険特別会計で負担することの是非はよくわかりませんが、さらに議論を進めて、労働局による個別労働関係紛争処理に係属した場合に限り、解決金の一部を労働保険特別会計で負担するというような話になれば、それはそれで興味深い論点のように思います。
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