2009年09月26日 (土) | Edit |
月末ということで今月の朝生を見てみたら、本間先生が出てましたね。前回出演したのを見たのは3年以上前で、その当時は経済財政諮問会議の民間議員としてご活躍中でして、拙ブログではかなり辛口のコメントをしてしまいましたが、その後いろいろなスキャンダルで表舞台から去っているので、その主張がどうなったかが興味深いところでした。

今回のメンツは以下のとおりです。ベストセラー作家の湯浅氏と香山氏も出演してたんですね。

朝まで生テレビ「激論!鳩山新政権の理想と現実

司会:田原 総一朗
進行:長野 智子・渡辺 宜嗣(テレビ朝日アナウンサー)
パネリスト:大塚耕平(民主党・参議院議員、内閣府副大臣)
福山哲郎(民主党・参議院議員、外務副大臣)
簗瀬進(民主党・参議院議員)
近藤正道(社民党・参議院議員)
下地幹郎(国民新党・衆議院議員)
茂木敏充(自民党・衆議院議員)
世耕弘成(自民党・参議院議員)

上杉隆(ジャーナリスト)
香山リカ(精神科医)
澤昭裕(21世紀政策研究所研究主幹)
村田晃嗣(同志社大学教授)
本間正明(近畿大学世界経済研究所所長)
湯浅誠(反貧困ネットワーク事務局長)


・・・あれ? 本間先生の入場のとき「経済財政諮問会議の民間議員」という紹介がありませんでしたけど? いまの肩書きは近畿大学世界経済研究所所長だそうですが、いやいや、このタイミングでこのテーマで呼ばれたのは「経済財政諮問会議の民間議員」だったからでしょうに。

妙に変だなーと思いながら見てましたが、番組が進んでも本間先生が全然発言しません。と思っていたら、番組も後半にさしかかろうとしたころで、温暖化ガスの削減の話題に突然「ゲームの初期状態をどう決めるかが大事だ」と割り込んできました。確かに経済学者らしい発言ではありますが、そのときやっと「税制調査会会長、経済財政諮問会議の民間議員」というテロップが出ただけで、当時の議論には話題が広がらないのが不思議なところ。この話題で本間先生が割り込むなら、田原総一朗氏も「経済財政諮問会議では奥田碩トヨタ会長(当時)に遠慮して暫定税率も環境税もまともな議論しなかったじゃないの?」と振るべきところなのに、それもしませんでしたね。

というか、民主党のカイカク派たちを前にしておきながら、コーゾーカイカクの牙城だった経済財政諮問会議で6年にわたって民間議員を務めた本間先生に対して、「カイカクの先輩としてどうなの?」と一度も振らないのはいかにも不自然ですな。政治家サイドからもその点についてのツッコミは皆無でしたし、テレ朝側との出演交渉に当たって「過去の経歴には触れないように」とか本間先生が箝口令を敷いたのかもしれません。

そんな微妙な空気の中で進行した話の内容については、政治家と活動家とジャーナリストの方々が議論を引っ張る展開で、途中からまたもや厚労省批判に終始する政治家の方々にうんざり。民主党からすれば年金でも雇用対策でも叩きやすい役所だし、自民党からすれば政権の座から引き下ろされる原因ともなった忌々しい役所ということで、与野党双方が「あそこは本当にダメだ!」とこき下ろし、最後には「公務員制度改革で成果主義の評価システムを導入しなければ役人は変わらない」と10年以上時代をさかのぼった結論に至る始末でした。自民党について言えば、社会保障削減を決めたあなた方の自業自得なんですがね。

ところがなんとここで、湯浅氏が「厚労省が悪いとは思わない」と厚労省を擁護するような発言をするではないですか! さすがに再分配政策を所管する厚労省を叩くのは筋違いだと気がついたのでしょうかね。とはいっても、このとき湯浅氏の発言の流れは、「ホームページを見ても雇用対策の情報にたどり着けないのは、利用者の立場に立っていないからだ」というもので、きちんと(?)役人批判はしておりました。この点については田原総一朗氏がしきりに「どうしてそうなるの?」と各パネラーに聞いていたように、どうしてそうなるのかという問題意識自体は至極まっとうなものでしょう。ところが政治家の方々の回答は、「官僚は現場を知らないから」というステレオタイプな、それこそ役所の現場を見ていないものでしかありませんでした。

役所の現場の話をさせていただけば、いまやどこの役所も公務員人件費削減とか定数削減の大合唱に晒されているわけで、その一方でこの景気低迷の補正予算などのために政策立案のサブロジやら制度策定やら通知の発送とかの事務処理やらに忙殺され、広報費も削減される中でチラシやパンフレットを作成する経費もなく、「ホームページなら経費がかからないんだから自前でやれ」とのお達しにより、業務の片手間にホームページを更新するのがやっとという状況なわけです。そこでもう一歩踏み込んで「支援が必要な方に必要な情報と支援を届けるための人員や経費をきちんと措置してくれ」と言わない湯浅氏には、やはり期待することはむずかしそうですねえ。

後半は八ツ場ダムの中止が話題になっていて、民主党議員から「利害調整をこれからしなければならない」というような趣旨の発言があったことは、さすがに政権の座についてようやくその重要性に気がついたというところでしょうか。最後まで利害調整を役人に丸投げしなければ、その点では自民党よりいくらかマシなのかもしれません。最後の各パネラーからの総括的な発言の中で、香山氏が「政策の先には人がいるということを忘れないでいただきたい」というのは、普段の氏の発言に同意することがないだけに意外にまっとな発言でビックリしました。政策の先に利害の異なった生身の人間がいて、その方々がすべて満足することはありえないという前提の下で地道に利害調整を続けるという、本来の政治の役割を現政権党の方々がどれだけ実行できるかが、今後の制度改革のポイントとなるように思います。まあその前に景気回復のためのマクロ政策をやれというのが大前提ですが。

ついでに、前々回エントリで予想した「再生の町」のラストシーンは見事にはずれました。結末の感想としては釈然としませんし難癖をつけようと思えばいくらでもできますが、住民の政治と行政に対する信頼の回復を描いたこのドラマのストーリーは評価したいと思います。政治家が役人を悪玉に仕立て上げ、行政に対する不信感を植え付けることによって政権を獲得するような状況では、どんな制度もうまくいくはずはありませんからね。
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