2009年08月05日 (水) | Edit |
hamachan先生のブログで取り上げていただきました。

しかも、

マシナリさんとは”チホー分権のいかがわしさ”みたいな話題で意気投合(!)しているという印象をお持ちと思いますが、実は労働問題でも私の意のあるところをかなり的確に捉えて批評していただいております。

「労働」カテゴリに書かれたエントリをお読みいただくと、とりわけ、解雇規制と集団的労使関係についてのマシナリさんのエントリは、ややもすれば今風に「ウケる」議論に受け取られかねない私の議論の微妙なところを非常にうまく書かれていて、とてもありがたいと思っております。
machineryさんの書評(2009年8月 4日 (火))」(EU労働法政策雑記帳


なんて過分なお言葉までいただいてしまいましたが、拙ブログの議論自体がhamachan先生から多大なインスパイアをいただいておりこちらこそ大変感謝している次第です。というか、拙ブログがhamachan先生のブログの読者の方々が読むに堪えるか甚だ不安です・・・

実は、hamachan先生に取り上げていただいた拙エントリは途中段階のメモのようなものでして、第4章については、集団的労使関係紛争処理の実務経験者として若干の感想などをこの週末にでも書こうかと考えておりましたが、せっかくの機会なので手短に書いてみます。

hamachan先生の提案する「新たな労働者代表組織」については、自発的組織である労組を重視する金子良事さんの批判との対比で考えると論点がはっきりするかと思うんですが、拙ブログはhamachan先生に近い立場をとっています。というのも、チホーブンケンに対する批判とも似た話になりますが、民意に依存した自発的組織は容易に思想団体に転化してしまうだろうと考えるからです。金子さんはその点を、

デュアルシステムといわずに、もっとラディカルに今ある組合を強制的に解体させ、新たな代表者組織を作ることが出来ると仮定しても構いません。しかし、そのときでさえ、そのリーダーに現組合のリーダーが入らないことはあり得ないでしょう。法律的問題を全部、クリアして、それが実現したときに、どこから自主的活動を実現するリーダーを調達するのか。これが何よりの疑問です。私が問題にしているのは、現存の組合をどう位置づけるか、というより、どこからリーダーを調達してくるのかということです。

2009/07/28(Tue) 14:45 | URL | 金子良事 | 【編集】
『新しい労働社会』の提唱する新しい職場からの産業民主主義について(2009年07月27日 (月))


というリーダーによる統制で克服しようとしているように見えるんですが、そのリーダーが判断を誤ることも往々にしてあるわけで、私的自治としての労使交渉が労使双方に不利益な方向へ進むことを防止する解決策としては心許ないと思います。詳らかにはできませんが、当事者である組合員が望んでもいない法廷闘争で闘争資金を稼いだり、そのために幹部が中心となって新たな組合員をオルグするという本末転倒な労組も少なからず存在しますからね。

この点については、水町先生の議論の進め方が一つの解決策となるのではないかと個人的には考えております。

 多様な労働者の利益を調整し代表するシステムとして、各事業場において労働者代表を選出する制度(労働者代表制)を創設することが考えられる。
(a) 組  織
 労働者代表委員の選出方法としては、事業場の規模ごとに労働者代表委員の人数を定め、比例代表選挙によって多様な労働者が選出される制度とすることが考えられる。なお、企業全体に共通する問題など議論する事項によっては、各事業場で分散して議論するより企業レベルで統一して議論することが適当と考えられる場合もある。この場合には、事業場レベルで選出された労働者代表を基本としつつ、使用者と労働者代表の合意に基づいて、企業レベルで統一して協議等を行うことも可能とすることが考えられよう。
(略)
 この労働者代表を制度化するにあたり、さらに次の2点が重要な課題となる(第1章2(1)(d)・(2)(d)参照)。
 第1に、使用者と労働者代表との公正な話合いを促すために両当事者に一定の義務を設定することである。例えば、両者に情報提供義務、誠実協議・交渉義務を課すとともに、話合いの公正さをチェックできるよう話合いの内容(議事要旨)を公開する義務を課すことが考えられよう。
 第2に、労働組合のない事業場でも労働者代表制が実効的に機能するように、代表の選出・組織化および使用者との協議・交渉のために必要な情報を提供するインフラを整備することである。行政(労働局、都道府県等)、労使団体(地域の労働組合、商工会議所等)、NPO等のネットワークを生かしながら、当事者を情報面でサポートする制度的な基盤を作っていく必要がある。

本文:「イニシアチヴ2009―労働法改革のグランドデザイン」DP(注:pdfファイルです)」(「イニシアチヴ2009-労働法改革のグランドデザイン」-イニシアチヴ2009研究委員会・最終報告会-ディスカッション・ペーパー、2009年6月発行
※ 強調は引用者による。


おそらくこの点では、法による組織化に重点を置いたhamachan先生と代表制といった手続面を重視する水町先生では微妙に見解が分かれているところではないかと思いますが、いずれにしても正規労働者も非正規労働者も同じ労使交渉の土俵に強制的に乗せてしまうことがポイントだろうと思います。

正規労働者中心の既存労組には各方面で指摘されている問題がありますが、一方で非正規労働者中心のコミュニティユニオンにも、外部の組合であるために相手方の企業を経営悪化に追い込んでしまうほどの苛烈な要求や団体交渉をしてしまうなどの問題があります。結局は、両者のバランスをいかにとるかについては、慎重な制度設計が求められるだろうということくらいしかいえないわけですが。




それにしてもなんていうか、学校の外で落書きしていたところを美術の先生に見つかって怒られるかと思いきや、「・・・悪くないね」と言われたような気分です(って例えが合ってるかよくわかりませんが)。

所詮は落書きレベルですし、前回エントリのとおりのレベルのチホーコームインが書いた駄文ですので、その点にご留意のうえでご高覧いただき、事実誤認等があればご指摘いただけるとありがたく存じます。
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私の意図したとおりに、濱口さんの第4章の議論と比較してマシナリさんが取り上げて下さって、嬉しい限りなのですが、明らかにまた説明不足だ...
2009/08/10(月) 19:31:22 | 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳