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2009年07月28日 (火) | Edit |
でまあ、前エントリではなくこっちのエントリが本題なんですが、前置きのつもりが長くなったのでエントリを別にしてみます。

政権交代が目前に迫っている中で、「官僚支配の打破」を掲げる野党第一党対策として霞ヶ関も対応に追われているようで、大規模な次官級の人事異動が行われているとの由。

「官僚制度どう動く、政権推移に固唾飲む霞が関」(2009年7月26日08時07分 読売新聞)

 衆院選での政権獲得が現実味を帯びてきた民主党は「官僚主導政治の打破」を表看板に掲げている。歴代の政権に対し「内閣が代わっても憲法解釈は変えられない」と説明してきた内閣法制局は、憲法9条について独自の解釈をする小沢民主党代表代行とたびたび衝突した。小沢氏が党首を務めた自由党は、内閣法制局廃止法案を提出したこともある。法制局幹部は「民主党にはうちは官僚主導の権化と映るのでしょうね」と語る
(略)
 官僚の政治任用は昭和の初期、政友会と民政党の2大政党が政権交代を繰り広げた時代に盛んに行われた。政権が代わるたび、当時は内務省から派遣されていた県知事や県庁幹部などの大規模な人事異動があり、政党色に染まった官僚は許認可権を党勢拡大のため露骨に行使した。道路や港、学校などを造ってもらおうと村民全員が時の政権党に入党する「全村入党」も各地で見られたという。

 戦後の国家公務員法が「公務員の中立性」を強調したのはこの時の反省によるものだ

※ 以下、強調は引用者による。


政権交代が目前に迫った段階でいまさらこんな冷静な議論をするというのも何かの冗談でしょうかね。政治主導というのはこういうことを容認することなんですけど、有権者の方々はもちろんそのことを承知の上で政権交代を選択されるのでしょう。

で、マスコミではあまり大きく取り上げられてませんけど、厚生労働省の江利川次官の最後の会見要旨がアップされています。長くなりますが、官僚のトップである次官という職を、内閣府と厚労省という攻守入れ替わった立場で経験された江利川氏のこの言葉は、「政治主導の構造改革路線」なるものを検証する上で大変重要だと思います。

(記者)
 これまでの総括ですが、今年の概算要求基準で社会保障費の自然増が認められるということになったのですが、そのことの評価と受け止め、それと内閣府の次官をされていた時代を含めて、2千2百億円を抑制させていくという小泉政権時代の方策が正しかったのかどうかの評価をお願いいたします。

(次官)
 1年で2千2百億円、5年間で1兆1千億を削減するのは、2011年度までに一般会計のプライマリーバランスを黒字化するという目標から来ています。国債費の返還ですとか、買い換え以外の部分、つまり行政経費はその歳の歳入でまかなおうという方針を立てて、2011年までにプライマリーバランスの黒字化を実現するという目標が立てられました。私はその方針自身は大変大事なことだと思っております。国と地方を会わせて8百兆円を超える借金があり、現在の人達の生活の豊かさを、まだ生まれてもいない人達につけを回すという財政状況ですから、そういう財政状況を改善していく努力をしていくというのは現在生きている人間の責務だと思っております。そういう責務に向けての第一歩だと思っており、プライマリーバランスを回復するというのは正しいと思っています。

 それをどうやって回復するかと言いますと、大きく言えば二つの方法があります。一つは行政経費の削減であり、もう一つは歳入増、つまり、増税です。その両方を咬み合わせなければ正しい方法ではないと思います。小泉内閣の最後に私は内閣府の事務次官をしておりましたが、当時の経済財政担当大臣は与謝野大臣でした。小泉改革を次の内閣にも継続してもらおうということで骨太方針2006がまとめられました。

 これをまとめるに当たりまして、議論は政府内でもありましたが、最終的にそのとりまとめは政府でまとめるのはなくて、党にまとめてもらうということで、当時の中川政調会長を中心に5年間の歳出削減がどのくらい可能か、歳入増をどう図るべきかということが議論されました。そういう中で、詳しいところは党に投げられていますから、私自身は分かりませんが、仄聞するところによると、厚生労働行政分野ではそれ以前の5年間におおむね1兆1千億円くらい削減している、その後の5年間も1兆1千億円くらいの削減が出来るのではないかということで、削減目標が決まったと聞いております。その判断の仕方が正しかったかどうかについては検証が出来ておりません。

 ただ、積み上げて決めていったわけではありません。前の5年間に確保出来ていたということですが、その確保出来た中には介護保険制度が新たに出来たことですとか、医療で言えば、本人の2割負担から3割負担の増ですとか、そういうものが入っておりまして、同じようにその次の5年間も削減を行うというのは、医療で4割負担にするとか、そういうことを行わないと出来ない目標が立てられたということです。そういう意味では、1兆1千億という目標の立て方について政治決断で決めたという話ですが、もっと精緻な検証がいるのではなかったかという感じがしております

 これが決められたことによる影響ですが、私は内閣府にいて、その後外に出て1年後に厚生労働省に戻って来たわけですが、マイナス2千2百億円というのは厚生労働行政、及び職員の士気に大変マイナスの影響を与えていると感じました。マイナス2千2百億円を実施するために無理な制度改正、必ずしも前向きと言えないような制度改正を行います。私の厚生労働省での最後の仕事は、介護保険制度を創設することでした。当時は審議官で、大変負担感のある仕事でしたが、「制度を創設して介護で苦しんでいる家族を助けていけるのではないか」というプラスの思いがあればいくら負担感のある仕事であってもやりがいと意欲もあるわけです。

 マイナス2千2百億円の削減を達成するために無理な制度改正をするというのは、どうしても職員の士気を下げるということになります。私は厚生労働省に呼ばれて事務次官に就任した時は、職員の士気のために、なんとか2千2百億円は撤廃したいと、社会保障制度の在り方をきちんと守って行こうと思いました。これは私が思っていたから出来るわけではありません。実際にマイナス2千2百億円のシーリングで行っていくという結果が、私が就任した直後に出産のたらい回しがありましたが、そういう事件につながり、様々な医療現場の問題ですとか、福祉分野の問題、高齢者医療につきましても制度が改正されたものの経過措置がかなり長くついているとか、様々な制度改正の趣旨から言えば趣旨の手直しが入っています

 こういう制度改正は職員の士気を下げるのではないかということで、2千2百億円の頸木から、我が組織を解き放したいということが就任した時の気持ちでした。幸いに、多くの与党の先生方もそういう思いであり、麻生総理自身もそういう思いが強く、この内閣で撤廃出来たということだと思います。私は社会保障のためにも、社会保障を一生懸命進める人間にとっても大変良かったのではないかと思っております。

平成21年7月23日付定例事務次官記者会見概要(注:pdfファイルです)

※ 適宜改行しました。


「職員の士気」にこだわった発言となっているのは、おそらく下手に社会のためなどと言おうものなら現野党からは政権与党の擁護と批判され、現政権与党からは政権批判とやり玉に挙げられることを避けるための苦肉の策ではないかと思います。次官として、というより霞ヶ関の官僚の中でも理不尽な批判にさらされ続けた厚労省の代表として、これが精一杯の反論だったのでしょう。

コーゾーカイカク路線のリーダーと目される中川秀直氏が政治決断で決めた社会保障費の抑制が、様々な問題を引き起こしたことの検証もないまま、それを上回る改革路線を打ち出している野党第一党が政権をとったとき、この国が本当の危機を迎えるのかもしれません。
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コメント
この記事へのコメント
○「博学鴻詞科」中国清朝康熙帝による、漢民族支配の一手段として創設。

中国における正規の官吏登用試験である「科挙」によらずに、皇帝の特旨(君主のおぼしめし)によって、官吏に任命できるというシステムである。これにより知識人、学者、文章家等を登用し清朝政府の官吏にした。これは「反清復明」を思想的に根絶することにあり、清にとって都合の悪い「復民」の考え方、つまり中国を漢民族の手にとり戻せという思想の根絶であり、知識人、学者、文章家等を取り込むことで、「反清」について書ける者を無くすることで大きな成果があった。(らしい)

○「公共サービス基本法」+「霞ヶ関改革」+「公務員制度改革」

 日本における正規の官吏登用試験である「公務員試験」によらずに、政治主導(政党の意向)によって、公務員(公共サービスの「担い手」)に任命できるシステムである。これにより知識人、学者、文章家等を登用し中央省庁の課長級以上の職務(「担い手」には国籍条項は無い)を管掌させた。これは「反民復自」を思想的に根絶することにあり、民主党にとって都合の悪い「復自」の考え方、つまり政権を自民党の手にとり戻せるという(政権交代)思想の根絶であり、知識人、学者、文章家等を取り込むことで、「民主党の政策(法案)」について反対を書ける者や実務担当者を無くすることに大きな成果がある。(苦笑 あくまでイメージです)

 「公共サービス基本法」の「担い手」について、労基署で労働保険の納付手続をする際、疑問を聞いてみたんですよ。
そうしたら「地方公務員は忙しいでしょうから、中身をよく見てないんでしょう。」 と・・・。

 公務員制度改革と霞ヶ関解体幻想を推進することになるのでしょうね。国家公務員、地方公務員の労働基本権(団結権、団体交渉権、争議権)の付与により、(国家・地方)公務員法の廃止は近いのかもしれない悪寒がします。

 『「財源は?」というのは馬鹿』とかいう話に、ちらほらと賛同されるのを見ていると、リフレの方達と同様の印象を受けるんです。

 「使用人(下僕)は考えずに(主人に)言われたことをやれ。」

 「財源は?」の本当に言わんとしたいことって、「実務担当者(霞ヶ関)」の処遇をどの様にするのか。だと自分は感じるのです。

 単なる使用人(下僕)という感覚をお持ちの方に限って、よく見られるように感じます。実務担当者である労働者が官であれ民であれ、低く見られがちであるのは否定いたしません。しかし、どのような政策・事業を行うにしても事務作業を省略することはできません。民間における「事業継承」が、スムーズに行かず廃業や経営不安を招いた例は少なくありません。「政権交代」であれ「平成維新」であれ、「実務担当者」を疎かにしては何も始めることはできません。「小さな政府」「地方分権」「政治主導」を唱え賞揚し「希望」と錯覚させた方達は罪を一新に背負って貰いたいものです。ただ「実務担当者」のうち「公共サービス基本法」に賛同した、官公労の皆様には自らの死刑執行書にサインをした自己責任は負うべきでしょう。
 JP労組の地方の委員長を務めた方が、民営化で退職するさい、「公務員で居たかった」「労働基本権は欲しくなかった」「中央から言われただけなんだ」と寂しそうに言っていました。

 官公労の皆様は、公務員で有り続けるのか、「担い手」として新たな身分をもつのか末端の地方公務員の方達は中央の労組の意向より御自身で中身を精査することが大事だと思います。

 マシナリさんの「敬うべきモデル」への読ませて頂いて、「内面に不満を抱え込んでいる人間」というのは、「改革主義」「永久革命」「永遠回帰」に取り込まれやすいのですね。

 他のブログで「永遠回帰」について同時期に書かれているものを読み比べながら頭の悪い者としては、「頭の良い人達は大変だな」と思わずにはいられません。

 「人間(現状)」を超克(否定)して 「超人(理想)」 が生まれても、また再びやり直さなければならない。 永遠回帰思想はそのような 「やり直し(改革)」 を無意味に感じるようならばダメなのだと突きつけているのです。

 下々に生きるものには、「安息と安寧の日々」はなかなかやってこないのだと・・・。
2009/07/28(火) 12:14:06 | URL | gruza03 #.AP4vxmU[ 編集]
> gruza03さん

哲学的なご指摘をいただいてしまい、頭が悪い私に十分理解できているか甚だ不安ですが、

> ただ「実務担当者」のうち「公共サービス基本法」に賛同した、官公労の皆様には自らの死刑執行書にサインをした自己責任は負うべきでしょう。

というご指摘は大いに頷くところです。労組や左派思想の方々は、使用者サイドを厳しく取り締まれば労働者が保護されると短絡的に考える傾向がありますが、使用者が苦しくなればほかでもない労働者も同様に苦しむということは認められないんでしょうね。

それにしても、「公共サービス基本法」の第2条の定義は、何度読んでも意味不明です。「特定の者に対して行われる金銭その他の物の給付又は役務の提供」って、憲法第15条第2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」違反http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-325.htmlが法制化されてしまっているんですけど、いよいよ違憲立法審査権の出番でしょうか。

実務担当者としては、こんな穴だらけの法律でどの機関が実効確保するのか、そもそも誰がコンメンタール書くのか気になりますが。
2009/07/30(木) 23:35:15 | URL | マシナリ #-[ 編集]
 いつも大変ありがとうございます。

>それにしても、「公共サービス基本法」の第2条の定義は、何度読んでも意味不明です。「特定の者に対して行われる金銭その他の物の給付又は役務の提供」って、憲法第15条第2項「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」違反http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-325.htmlが法制化されてしまっているんですけど、いよいよ違憲立法審査権の出番でしょうか。

 民主党の衆議院議員による議員立法(衆法 25号)でだされ、内閣法制局の審査ではなくて、衆議院法制局の審査ですましたところに何らかの意図(霞ヶ関排除、公務員叩き)を見てしまうのです。
 ブログ「公務員のためいき」さんたちの無邪気な賛同には、軽々に組することは出来ません。これによりかえって公共サービスの劣化は加速するように思えます。

>実務担当者としては、こんな穴だらけの法律でどの機関が実効確保するのか、そもそも誰がコンメンタール書くのか気になりますが。

 政権交代も暁には、コンメンタールを書く方たちに対する圧力は凄いでしょうね。関西学院大学の神野直彦教授のグループが恣意的に作成して、強制的に部長通達、課長通達を連発するのでしょうか?
ぞっとします。
2009/07/31(金) 07:39:19 | URL | - #.AP4vxmU[ 編集]
 公共サービス基本法」第2条1項の「特定の者に対して行われる金銭その他の物の給付又は役務の提供」の「特定の者」は、自分は

外国人住民
 ※「外国人住民」とは、在留資格、滞在期限その他在留に伴う条件の如何に関係なく、日本国籍を保持することなく、日本国内に在住する者をいう。
 
憲法第十条  日本国民たる要件は、法律でこれを定める。
国籍法第一条 日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。

 すべては、「多文化共生」のために、「国民の再定義」を行うこと。
 憲法十条及び国籍法を無効化する改正が最終目的なのではないでしょうか。
前回、名称が抜け落ちておりました。申し訳ございません。
2009/08/01(土) 17:04:20 | URL | gruza03 #.AP4vxmU[ 編集]
> gruza03さん

> これによりかえって公共サービスの劣化は加速するように思えます。

日雇い派遣とか製造業派遣を禁止することが、労働者を保護するどころか経営を圧迫して働き口を減らしてしまうのと同根の問題がありますね。

>  すべては、「多文化共生」のために、「国民の再定義」を行うこと。

これも、おそらく民主党や連合はそこまで頭が回ってはいないと思います。世の中に陰謀論に見えることは多々ありますが、当の本人たちにはその意識がない「見せかけの陰謀」に過ぎないのではないかと。

単純な「善意と熱意http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-114.html」で行動した成果に自己満足はしているとしても、それが回り回って自分の首を絞めてしまう危険性には考えが及ばないのでしょう。
2009/08/01(土) 21:11:24 | URL | マシナリ #-[ 編集]
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