2009年06月25日 (木) | Edit |
チホーブンケン教がいよいよ国政に乗り出すようです。

「支持政党表明へ新グループ 大阪知事、横浜市長ら首長数十人」(2009/06/25 01:19 【共同通信】)

 大阪府の橋下徹知事は24日夜、東京都内で横浜市の中田宏市長らと会談し、次期衆院選で支持政党を表明するため、自治体の首長で構成するグループを近く立ち上げる方針を決めた。グループは数十人規模になる見通しで、参加者で協議し、どの政党を支持するかを表明するという。
(略)
 会談には2人に加え、松山市の中村時広市長と、神奈川県開成町の露木順一町長の計4人が出席。橋下知事は24日午後の記者会見で、大阪府内の市町村長では3人が態度表明に賛同していることを明らかにしていた。

※ 以下強調は引用者による。


チホーブンケン教が政治グループを立ち上げるのと、幸福実現党とか真理党とかとどこがどう違うのかよく分からないんですが、まあさすがに一度は選挙で当選した首長さんたちだけに、「カイカク!」と叫んでおけば票が集まることはよく熟知されていますね。

あくまで地方分権というのは政策を実現するための手段や制度であって、それが目的ではないわけですが、その手段が目的になるということは結局のところ、現存の制度を破壊し尽くして既得権益を奪い取るという宣戦布告にほかならないのでしょう。どこまで好戦的なのやら。

で、既得権益というとなにやらダークなイメージで語られてしまいますが、およそすべての日本国民は現存する制度から有形無形の便益を得ているわけで、それを破壊し尽くしたときにいったい誰がその権益を獲得するのかという不毛な権益争いが始まることは火を見るより明らかですね。チホーブンケン教がやろうとしていることが制度の破壊(霞ヶ関の解体とか)であるならば、その後に必然的に生じる不毛な権益争いをどのように防ぐなり調整するのか、という点を明確にしなければ無責任極まりありません。

というより、地方分権という手段しかコンセンサスがないのに、その後の具体的な権益の分け前を巡る不毛な権益争いを防ぐことができるわけがありませんね。たとえば民主党では市町村数を300にするとかいっていたのに、大阪府知事の批判を受けて700~800に修正するそうで、バナナのたたき売りじゃないんですから。

まあ、改革派知事とかってのは、そうやって不毛な権益争いそのものを「地方間競争」といって正当化するような方々でもあるわけで、むしろそのような権益争いに勝てると踏んだ大阪府や横浜市といった大都市がチホーブンケン教の旗振り役をするのは自然なことなのかもしれません。となると、この会談に同席したという松山市長とか神奈川県開成町長は、チホーブンケン商法の単なる被害者というべきでしょうか。その意味では、「意思疎通ができてる」とか言い張る宮崎県知事も大都市の首長さん方とは同床異夢である可能性は高いですな。

というわけで、すなふきんさんからいただいたTBでこうおっしゃる点にこそ、まともな感覚を持った方々は危機感を抱かなければならないのではないかと。

そういえばこういうパターンは過去にもあったんじゃないだろうか。小泉フィーバーの郵政民営化騒動の時と何やら似ている。今度は地方分権を錦の御旗に掲げて世論を煽るというところか。そして相変わらず国民生活の本当のツボである景気問題はそっちのけで地方分権騒動で盛り上がることになるんだろう。だいたいなんでマクロ的な経済イシューを優先すべき時期に地方分権にうつつを抜かさねばならないのかさっぱりわからないのだが、所詮はそれがわが国の政治的限界なのかもしれない。
(略)
しかしどちらにせよ、「とにかく何かが変わったらいいことあるだろう」みたいな子供じみた希望的観測ばかりが蔓延してるとしたら、自民党がなめられてるとか他人事みたいに言ってる資格なんてないと思うんだけどなあ。本当になめられてるのは国民自身かもしれないじゃないか

■[政治]そのまんま東騒動~手の込んだ工作説について(2009-06-25)」(すなふきんの雑感日記


チホーブンケン商法というか、カイカク商法というか、それなんて霊感商法?
被害者の会でも結成すべきでしょうかねえ。

(追記)
そういえば、

日テレNEWS24「東国原知事「橋下知事と理念は同じ」<6/25 21:03> 」

東国原知事は「橋下さんからは一緒にやってほしいと依頼が来てますから、どういう形でやっていくか。地方分権・地方主権を勝ち取りたいんです。そのためにどうやっていくのか、考えていくのか。橋下さんだけでなく、全国の首長、国民の皆さんに問いたいです。今回の選挙をどう思っているか。これは地方分権選挙なんですよ。(Q前向きだと?)条件がそろえば、理念は一緒ですから、手法をどうするか、今後詰めないといけない。自民党内にも改革派はたくさんいると思うので、このままの自民党ではダメだと強く思っている人もいると思うので、ぜひ決起していただきたい」と述べ、地方分権を目指す方向は橋下知事と一致しているとした上で、地方分権をどのように実現していくかが重要だと強調した。


だそうで、拙エントリでの「地方分権という手段しかコンセンサスがないのに、その後の具体的な権益の分け前を巡る不毛な権益争いを防ぐことができるわけがありません」という指摘に、ご本人からお墨付きをいただきました。ありがとうございます。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
いつも興味深く拝見させていただいております。

>>この会談に同席したという松山市長とか神奈川県開成町長は、チホーブンケン商法の単なる被害者というべきでしょうか。

開成町長さんは地方分権改革推進委員会の委員ですので、単なる被害者という見立ては違うのではないかと。

http://hydrangeaceae.cocolog-nifty.com/hydrangea/2009/06/post-05f6.html
ご本人のブログできちんと見解を示しておられるようですので、参考になればと思います。
2009/06/29(月) 19:55:17 | URL | alittlething #zHuL3qVY[ 編集]
> alittlethingさん

コメントありがとうございます。

> 開成町長さんは地方分権改革推進委員会の委員ですので、単なる被害者という見立ては違うのではないかと。

なるほど、地方分権を推進する立場にある方を単なる被害者としてしまうのはミスリードですね。

ただ、本エントリでは敢えて露木氏の名前を表記しませんでしたが、一応は地方分権改革推進委員会の議事録などはざっと目を通しておりますし、拙ブログでも露木氏の発言を取り上げたりしております。

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-249.html
http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-250.html

その上で判断させていただくに、この方もマスコミ出身だけあって、世の中を単純な二元論でしか語れない方なんだなという印象です。ご紹介いただいたリンク先でもどう行動するかしか書いてませんし、具体的な権益の配分をどう考えているのかはよく分かりません。

それでいて、国や県といった上位(今はそういいませんが)の行政体の規制を盾に利権調整するというメリットはちゃっかり享受している(http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-250.html)わけで、そういう機会主義的な方の主張はにわかに信用できないと思うのです。

露木氏を喩えていえば、ネズミ講の胴元に近いところにいる幹部は損をしないというところでしょうか。
2009/06/29(月) 21:10:32 | URL | マシナリ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E6%96%B9%E5%88%86%E6%A8%A9 江戸時代の日本は、幕府という中央政府は存在するが、藩という「地方王国」に権限が下ろされていた。ただし、藩の大名は、参勤交代による江戸への出張や、幕府の公共事業への強制的な出費や参加も命じら
2009/06/26(金) 21:17:51 | すなふきんの雑感日記