2009年03月27日 (金) | Edit |
久しぶりに時事ネタですが、WBCで一番印象に残った選手のコメントはこれ。

青木「流れを呼ぶ力を意識した」(2009年3月25日22時59分 スポーツ報知)

 (今回のチームは)監督、コーチ、選手、一人一人の存在感がチームにいい雰囲気を持ってきて、強い結束力を生んだと思う。今回も上の(世代の)選手…イチローさん、小笠原さん、城島さんだったり稲葉さんだったり、(上の)選手の負担になることはやりたくなかった。僕(らの世代)が引っ張るくらいの気持ちで試合に望みました。
※ 強調は引用者による。



今回のメンバーがオールジャパンといえるベストメンバーかどうかというのは、所属球団の事情などもあって異論のある方もいるでしょうが、少なくとも野球を職業とする日本人ではトップクラスの人材が集まったチームであることは間違いないと思います。その一員としてプレーした青木選手のこの言葉に、今回の日本代表チームの個々の選手の能力の高さはもちろん、チーム全体のモチベーションの高さが現れているように感じました。

個人的な経験ですが、トップクラスの人材にしか通じ合えない部分での意思疎通ができるような集団になると、その意思疎通のためのコストが軽減されて、仕事の効率は飛躍的に増加します。そうなると、自分のスキルを発揮することがさらに容易になるためにモチベーションも上がり、それが同時にスキルの向上をもたらすという好循環が生まれます。今回の優勝についての見方はいろいろあるでしょうけど、日本がほかの国の代表チームに勝っていたのは、そのようなトップレベルの選手による結束がもたらしたモチベーションの高さではなかったかと思ったわけです。

ただ、そういう状態ってのはなかなか外部には伝わりにくいところがあって、結果が誰にでも分かるようなもの(世界一!とか)ならともかく、後から効いてくるような作業だと特に「あいつらの話を聞いても専門用語ばっかりで何やってんだかよく分からん」と言われてしまいかねません。つまり、ごく普通にテレビ中継をみたり新聞の解説を読んでいる我々のような一般市民が、自分などは足元にも及ばない国内有数の能力保持者によって繰り出される一挙手一投足を、だからこそ気軽にあれこれ批判できてしまうように、専門性の高い制度設計や政策決定についても好き勝手に批評できてしまうわけです。

まあプロ野球というのは人気商売ですから、とにかく結果を残して注目を集めることが必要不可欠であって、その結果に応じてきちんと報いられるようになっているシステムさえ機能していれば、そういう好循環も生まれやすいのだと思います。では翻って、日本でトップクラスの頭脳を持つキャリア官僚の集団である霞ヶ関はどうでしょうか?

キャリアとかカンリョーとか一緒くたに言ってしまいますが、誰にだって普通の人とたいして変わりない人生があって、その中で個々の官僚が専門性を身につけて存在感を増していき、そのオールスターによって制度設計を行うのが日本の官僚制でした。しかし、そのような制度設計を担うための頭脳的な耐性を測るための試験が廃止され、その努力に応じた素早い昇進が封じられ、組織の世代交代のために必要な肩たたき対策としての天下りが禁止されようとしている中で、日本の制度設計を担う人材がその能力を発揮することができるのか、とても不安になります。

プロ野球なら実生活への影響は微々たるものですが、日本の制度設計を誤ると我々自身の生活にダイレクトに跳ね返ってくるわけです。政治家もマスコミもこぞって安易な政策批判を繰り広げてしまう風潮は、あまり好ましいとは思えないというのは拙ブログでさんざん書いていることではありますが、青木選手の言葉にふと遠い目線になってしまいました。
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コメント
この記事へのコメント
新井泉さんのおかげで優勝できた!
WBCよかったね。新井泉さんに従って、監督を新しいヒトにしたのでよかった。国王新井泉さまのおかげだ、バンザイ!!
2009/03/27(金) 05:05:59 | URL | さおり #-[ 編集]
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