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2009年03月10日 (火) | Edit |
前々回エントリは政権交代が自己目的化した野党を念頭に置いて書いたものでしたが、それもあくまで政権与党に対する野党の行動という相対的なものであって、いち早く民主党が与党となっている小沢王国ではこんな一幕があったようです。

MSN産経ニュース「岩手県知事が議会で土下座 「補正予算通して」(2009.3.6 23:04)

 岩手県議会は6日開いた本会議で、政和・社民クラブから提出された本年度一般会計補正予算修正案を賛成多数で可決した。これに対し、達増拓也知事は県議会では初の再議権を行使したが、その際、「ぜひ補正予算を成立させてほしい」と全議員に向かい2度にわたって土下座するハプニングがあった。

 補正予算案には、県医療局が策定した県立6医療機関の入院ベッドを廃止する無床化計画に関連し、とりあえず4月から無床化される5地域診療センターから患者や家族などを基幹病院に無料送迎するマイクロバス5台の購入費(2300万円)が計上されていた。

 しかし、5日の常任委員会で、無床化の一時凍結などを要請している政和・社民クラブが購入費を削除する修正案を所管の総務、環境福祉委員会に提出。両委員会とも賛成多数で可決されたため、6日の本会議に修正案が諮られた。

 結局、本会議でも民主・県民会議所属議員以外の26人全員が賛成し、26対20で修正案は可決されたが、あくまで無床化計画の実現を目指す達増知事は即刻、再議書を議長に提出した。再議権を行使する際、知事は自席の前に出て土下座したほか、休憩をはさんで再開後にも3列に分かれた議員席の前でそれぞれ土下座し、議場内を驚かせた。

 県議会事務局によると、知事が再議権を行使したのは初めてで、土下座したのも初めてという。


ちょっと構図がわかりにくいんですが、知事と与党側が公立病院の経営が厳しくなったために一部の公立病院を無床化する計画を策定し、その代わりに、無床化した地域から患者がほかの病院へ通うために運行するバスの購入費を予算に計上したところ、その予算案が議会の野党の反対によって廃案になってしまい、知事が再議を求めて県議会議員を前にして土下座したということですね。

結局は、民主党が与党になったとしても、自民党も社民党も野党としてその政策には反対するという「野党根性」を発揮するしかなくなるわけで、政権交代を巡って時間や予算という貴重なリソースが費やされていく状況を見るにつけ、政権交代ってそんなに必要なことなのかという疑問がぬぐえません。

で、実際のところはどうなの?という点については、地元新聞では地元の医療関係者のコメントとともに、野党議員の本音を掲載しています。

「「実態踏まえ議論を」 無床化案で県議会空転」(2009/03/07)

 こうした状況について、県立宮古病院に勤務経験のある熊坂義裕宮古市長は「県議会は医療現場とあまりにかけ離れている。医師が減り、県内でもどんどん医療崩壊が進んでいるのに、非現実的な議論で反対ばかりを唱えている」と批判。

 県立病院に13年間勤務経験のある二戸市堀野の薬剤師森川則子さん(55)は「病院の現状を理解していないから反対しているのではないか。住民の気持ちも分かるが、こういうときこそ、議員は県内の現状を理解して住民に教える役割がある」と不信感を募らせる。

 県立中央病院の佐々木崇院長は「それぞれの立場はあると思うが、中途半端な結論は許されない。医療局にとって、今回の計画は(岩手の医療を守るための)最初のステップ。もう一度医療体制をつくるためには、地域の自助や互助も求められている」と冷静な議論を求める。

 県議会は昨年12月定例会で新経営計画案の撤回を求める請願を賛成多数で採択。2月定例会前の2月16日には議員有志26人が県と県医療局に計画の一時凍結を求める要請を行った。

 しかし、医師不足の現状や勤務医の過重勤務の実態は次々と表面化しており、一時凍結を求める議員からは「振り上げたこぶしを降ろせなくなっている」と本音も聞かれる


・・・それにしても、野党に回った自民党ならまだしも、「弱者の味方」がメシの種でおなじみの左派政党までもが住民の意に沿って病院計画に反対するというのは、分かりやすくも分かりにくい構図ではあります。「政権交代」なるものを巡って繰り広げられる足の引っ張り合いのデメリットに、小沢王国の皆さんはそろそろ気がついてもいいんではないかと。

公立病院といえば、銚子市でもこんな騒動が起こっています。

【共同通信】「銚子市長解職の住民投票告示 市立病院休止が争点」(2009/03/09 10:45)

 千葉県銚子市の市立総合病院の休止問題を争点に、岡野俊昭市長に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票が9日、告示された。
(略)
 岡野市長は2006年7月、病院存続を公約に掲げ、初当選。しかし経営悪化と医師不足を理由に、昨年9月末に休止。反発した市民団体「『何とかしよう銚子市政』市民の会」(茂木薫代表)が今年2月、有権者数の3分の1を超える約2万3000人分の署名を集め、リコール請求した。


「病院存続公約に掲げ」た市長が廃止を決断せざるを得ないということは、もしリコールが成立して現市長の対抗馬が「病院存続を公約に掲げ」て当選したとしても同じことの繰り返しになるんでは? リコールだって選挙だってお金も時間もかかるわけで、こういう堂々巡りをしている暇と金があったらほかにできることを探した方がいいんではないかと思われます。「チホーブンケン」とか「地元のことは地元で決める」といったときにはよく「中央集権のムダを排除しなければならない」という論理がセットになっていますが、チホーブンケンのこういうコストはムダではないんでしょうか?

そういうムダっぽいことを先頭に立って進めているのは誰かというと、

「千葉・銚子の市長リコール、住民投票告示…市立病院休止で」(2009年3月9日15時20分 読売新聞)

 リコールを求める市民グループ「『何とかしよう銚子市政』市民の会」(茂木薫代表)は午前9時から市内の事務所で、街頭宣伝の出陣式を開いた。

 茂木代表は、「市民の多くの気持ちは固まっている。市民への説明が不十分な中で、病院休止が強行された」と語った。市民の会は、住民投票のために有権者の3分の1を超える署名を集めている。

 一方、岡野市長は正午過ぎ、市役所で記者会見し、リコール運動の不当性を示したパネルを掲げ、「医師不足や財政難が病院休止の原因。リコールで病院を抱える全国の市長が困っている」と訴えた。市長の支援者でつくる「真実を知らせる市民の会」(白土勝彦代表)も街宣車を走らせた。


・・・どっちも「市民」の方ですかorz
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コメント
この記事へのコメント
>東北大医学部寄付金 収賄容疑で学長ら13人を告発

 岩手県釜石市民病院から東北大医学部教授らに不明朗な金が寄付されていた問題で、 仙台市民オンブズマン(小野寺信一代表)と市民オンブズマンいわて(井上博夫代表)の メンバー計22人が29日、医師派遣の便宜に対する謝礼だったとして、 収賄容疑で吉本高志学長、玉井信医学部長ら13人を仙台地検に告発した。
地検は今後、受理するかどうかを検討する。
 告発状によると、1999―2002年度、吉本学長(当時は付属病院長など)ら 東北大医学部と病院の13講座・医局の責任者(当時)は
「医師指導委託費」などの名目で、1人当たり60万―420万円、計二千数百万円を 釜石市民病院から受け取った。
 指導委託費などは「医師派遣という便宜への謝礼と、今後も取り計らいを受けたいとの趣旨だった」 と指摘している。
 オンブズマンは現金授受が22年間で総額1億2500万円に上ると指摘。
「医師派遣は、誰もが適切な医療を受けられる環境整備を最優先に考えて決められるべきだ。
そのシステムを再構築する必要がある」と話している。
 吉本学長は告発について「事実関係については医学部の調査委員会が調査を進めており、 その結果を待ちたい」とのコメントを出した。
 国公立病院からの医師派遣をめぐっては、奈良県立医大病院で2000年11月、 名誉教授らが民間病院から現金を受け取ったとして収賄罪に問われ、有罪判決を受けている。
 オンブズマンは石巻、古川、白石、米沢市の各病院から東北大側に不明朗な寄付金があったとして、各市に住民監査を請求し、現金を贈った側の責任も追及している。
[河北新報 2003年10月30日](河北新報)
 
 オンブズマン(共産党)の提訴により、一斉に東北六県に派遣していた医師を東北大学が引き上げるのです。これは全国に波及し、現在起きている原因の一端となったはずです。

 この結果、県立病院の統廃合も含めた経緯を経て、市民病院は廃止し医療法人へ譲渡されたのですが、東北大学と岩手医大の旧来の確執が遠因としてありました。
 看護婦(士)等も含め党派的な振る舞いが、かなり強かったそうです。
 観光バスのガイドの方達から東北六県において岩手県の県立病院は突出している話は聞かされるのです。これについては、戦後の進駐軍との関連もあるそうですが、きちんと調べたこと無いので伝聞でしかありません。
2009/03/10(火) 05:21:04 | URL | gruza03 #DgdRcaA.[ 編集]
> gruza03さん

>  オンブズマン(共産党)の提訴により、一斉に東北六県に派遣していた医師を東北大学が引き上げるのです。これは全国に波及し、現在起きている原因の一端となったはずです。

決してオンブズマンの役割を否定するわけではありませんが、こういう事態が引き起こされるのを見てると、オンブズマンの狙いが何なのかよくわからなくなりますね。来てくれる人がいないからお金を出すといいう行為に違法性があるとして、その行為を罰しても結局来てくれる人がいなければ何も解決しないわけですし。

「ムダを排除せよ」、「利権を潰せ」というかけ声の下に政府の無謬性や潔白性を極限まで求めた結果が、政府の領域を狭めて「小さな政府」へと結実し、かくしてリベサヨはネオリベと同じところを目指していたことが判明したわけですね。
2009/03/10(火) 22:50:06 | URL | マシナリ #-[ 編集]
HALTANさんに言及していただきました。
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20090310/p1

> ・・・客観的に言って、別に「市民」は医療経済学・医療経営学の専門家でも何でもないわけで。おまけにああいう分野も何が正しくて何が間違っているのやら、何がなんだかよく分からず大変に込み入っている。そういうことを「市民」に判断させるのはぶっちゃけ無理。

「市民」の方々はそれぞれ本業をお持ちですからね。「自治」に絶対的価値を置くということは、ご自身の本業をなげうってでも自身の判断に責任を持つ覚悟が必要なわけで、それをやるのが職業政治家の役割です。

逆に言えばそれがないからこそ、日本的「市民」の方々は気楽に床屋政談に講じることができるんですが、いざそれが現実になって意図しない結果がもたらされたときに、どれだけ責任をとるおつもりなのかは興味のあるところです。

かといって、職業政治家たる知事や議員の議論がきちんと責任を負えるレベルかというと必ずしもそうではないわけで、現実問題として「民意」なるものが結果に責任を負えるレベルに達することはなさそうな気もします。

じゃあコームインならそれができるかといえば、自分も含めてそんなリスクを負える人がいるとは思えません。特に昨今の役人バッシングが収まる気配もない中で、給料や退職後の待遇を切り下げられながら敢えてリスクを負いながら仕事をするインセンティブもありませんしねぇ。
2009/03/10(火) 23:34:49 | URL | マシナリ #-[ 編集]
 内示等が出て忙しい時期、ありがとうございます。
 湯浅氏が、厚労省に派遣村の相談窓口設置の要望を昨日提出したそうです。今回は、宿泊施設は設けないとか(笑)。冊子等を配布するらしいので、費用補助の要請ですむのでしょうか?
2009/03/11(水) 06:41:29 | URL | gruza03 #DgdRcaA.[ 編集]
> gruza03さん
内示というわけではないんですが、レスが遅くなりまして申し訳ございません。

> 湯浅氏が、厚労省に派遣村の相談窓口設置の要望を昨日提出したそうです。今回は、宿泊施設は設けないとか(笑)。冊子等を配布するらしいので、費用補助の要請ですむのでしょうか?

このニュースですね。

> 派遣村主催者、4月に相談窓口を設置<3/11 2:58>(日テレNEWS24)
> http://www.ntv.co.jp/news/130772.html
> 仕事や住まいを失った派遣労働者らを支援するため、年末年始に東京・日比谷公園で「年越し派遣村」を設置した主催者が、さらなる雇用情勢の悪化に備え、4月に相談窓口を設置することを決めた。

> 年越し派遣村の主催者は10日、厚労省で、仕事や住まいを失った労働者の支援策について、国の対応を聞いた。その結果、国の対応に一定の評価を示しながらも、実態を理解していない点があるとして、あらためて相談窓口を設置することを決めた。

> 今回は宿泊場所の提供などは行わず、仕事を失った時の対応策を記した冊子の配布、電話や面接による相談会を中心に行うという。

湯浅氏が自主的に行動することはまったく問題がありませんし、それこそが湯浅氏の強みなんでしょうけれども、厚労省に行って「国は実態を理解していない」というのはお門違いというものだと思います。

この点については、前々回の続編として新たにエントリを書きましたので、そちらをご高覧いただけると幸いです。
2009/03/15(日) 09:01:59 | URL | マシナリ #-[ 編集]
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