2009年03月02日 (月) | Edit |
すなふきんさんのここ一連のエントリはどこかで聞いた話だと思ったら、

「国民はもっと経済学の知識を身に着けるべき」というのはたしかに正論だ。しかしそもそも経済学やマクロ経済政策の考え方自体が難解であり一般の人にとって感覚的に捉える事が困難なので、最近はこうした発想はあまり現実的ではないような気がしてきた。そのような啓蒙には自ずから限界があるし、おそらくは目立った効果はないんじゃないかと思う。


nanahusi 国民の一時期の感情に乱されず、官僚や政治家が高度に専門的な知識の元に政策を決定するところが間接民主制のいいところだと思ってたのに……。


ハテブでもこんな指摘があったが、そもそも間接民主制が採用された、あるいは多くの国で依然機能し続けている背景としては、専門知識のない一般国民の代理人として政治家や官僚が政策を行う、という大原則があったと思う。
■[経済][政治]国民の代理人としての役割について(2009-02-28)」(すなふきんの雑感日記
※ 強調は引用者による。脚注は省略させていただきました。


権丈先生が「代考士」という言葉を流行らせようとしていたのを思い出しました。

 本当に困ったことに、世の中、大切なことは複雑なんです。重要なことは簡単には理解できない。だから、みなさんに代わって考えるわれわれ――みなさんに代わって事を議する人たちを代議士と呼ぶように、みなさんに代わって考える人たちを代考士と呼べないものかと学生に提案したこともあるのですけど、流行りそうにありませんね、この代考士――に、考える暇が与えられているはずなんですけど、最近は、この代考士さんたちもなにかと忙しいようで、なかなか立ち止まって考えようとしない。だから世の中の論が、乱されるままに乱れてしまっているのではないか。ゆえに世論はおおかたいつも間違ってしまうことになる。なんともそういう感想なぞを、近頃はいだいております。
首相の失言は優しく忘れてあげましょうよ、それが大人というものでしょう――厚生・共済年金一元化と「追加費用」――」(勿凝学問43 2006年4月27日 注:pdfファイルです)
※ 強調は引用者による。


まあ、権丈先生も「代考士」という方々がきちんと考えているわけではないとおっしゃるように、一般の方々のために考えるというより、一般の方々がそうであってほしいと考えることを考えているだけというべきかもしれません。その間隙を縫って政権交代をしようとする輩がいると必然的にこうなります。

 最近、日曜日の大河ドラマなんかをみていると、腹が立ってくる場面がある。毎週毎週、主人公夫婦は、「功名、功名」と連呼しているんだけど、彼らが功名をあげるためには戦いくさがなければならない。でも、戦ってのは、どうしても民を疲弊させてしまう。こうしたデリカシーに欠ける場面をみていると、今の政治シーンが重なってしかたがない。政権交代につながる政局ってのは、ようは与党がやっていることを野党が批判してはじめて生まれる局面なんだけど、実に厄介なことに、与党の悪政と政局の勃発とが、必ずしも1対1の対応をしないのである。
 国民(投票者)が公共政策に関して完全情報をもっているのであれば、与党の悪政と政局の勃発は1対1の対応をなすのかもしれない。けれども、ほとんどの場合、国民は公共政策に関して不完全な情報しかもっていない。したがって、野党は、巧妙な情報操作をすることにより、与党の善政を相手取って政局に持ち込むことも可能となってしまう。その時、災難なのは、国民
「同上」
※ 強調は引用者による。


引用されている大河ドラマがちょっと懐かしいんですが、拙ブログで取り上げた中では前回エントリとか、懐かしつながりでいうと自らの保身のために堤防を破ろうとした野心家(注:リンク先はネタバレを含みます)がちょうどダブっていますね。

で、すなふきんさんが直近のエントリで、

マスコミの活動を企業のマーケティング戦略同様に捉えれば、世論誘導により一定の政治的効果をもたらすまでに持ってゆくことは十分可能だろうと思う。ただ問題は、その結果として出てきたものが国民全体にとって概ね望ましいものであったかどうかということだ。個人的にはマスコミが引っ掻き回したことによるデメリットの方がメリットを上回ってしまっている可能性の方が高いと思えてしょうがない。
■[政治][社会]マスコミは神か何かか?(2009-03-01)」(すなふきんの雑感日記
※ 強調は引用者による。


と危惧を抱かれている好例が日テレの「日本を動かすプロジェクト」という日本崩壊キャンペーンです。というか、この本のタイトルなんとかならんものか。
ACTION日本崩壊―五つの難問を徹底追跡するACTION日本崩壊―五つの難問を徹底追跡する
(2008/12)
日本テレビ報道局

商品詳細を見る

現物は見てないし見たいとも思わないんだけど、その中でも官僚叩きに余念のない「バンキシャ!」がこんな凡ミスをやらかしたり。

日テレ、岐阜県に謝罪 裏金問題で虚偽証言放送」((01日 23:24))
 岐阜県は1日、昨年11月に放送された日本テレビ系の報道番組「真相報道バンキシャ!」に出演した建設業者の男が県の裏金問題について虚偽の内容を証言していたと発表した。日本テレビは同日夜に放送した番組の中で「新たな取材に対し男が(これまでの)証言を翻した」と釈明。放送内容に誤りがあったことを認め「視聴者、岐阜県庁などに迷惑をおかけしました」と謝罪した。

 県は同日までに、この男を偽計業務妨害容疑で県警に告訴。2月27日に日本テレビ関係者が県庁を訪れ、放送に誤りがあったとして謝罪したが、県は「正式な謝罪ではない」としている。

 県や日本テレビによると、男は2008年11月に「バンキシャ!」に出演。県土木事務所が架空工事で裏金づくりをしているのに協力したと番組で話した。


「裏金作ったコームインは税金返せ!」とか凄むわりに、自分のときは謝罪すれば済むんだー。いいなー。

なんてことはいいませんが、マスコミが自らの姿を呈して日本が崩壊するのが近いと予感させるのがこのキャンペーンの意義なんでしょうね。
スポンサーサイト


コメント
この記事へのコメント
適正価格の見つけ方
ファンになっちゃいました。価格比較に関するサイトを運営していますので、よかったらいらしてください。
2009/03/07(土) 10:16:26 | URL | のぞみ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック