2005年09月10日 (土) | Edit |
「郵政解散」から一か月、日付が変わって選挙運動もいよいよ今日まで。
明日は投票日です。
こんなに一つの政策が争点になった選挙というのもなかなかないので、せっかくの機会ということで郵政民営化について書いておきます。

新聞なんかではよく
「郵政民営化は必要か?」
なんていうテーマで特集組んでますが、「郵政民営化」はあくまで手段であって、目的は別にあります。

自民党のマニフェスト(いつのまにか「政権公約」とかいう訳語が定着しちゃったけど、「明細書」っていう本来の意味からするとかなり遠くまで来ちゃった感があります)をみてみると、初っ端に「郵政民営化なくして、小さな政府なし。」http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2005_seisaku/120yakusoku/zu.html
とあります。さすが「改革の本丸」と位置づけるだけあります。

が、この論理の飛躍をどうやって埋めたらいいのか苦慮しますな。

そもそも「小さな政府」というのが何を意味するのか?
というところからよくわからんのだけど、「骨太の方針」の流れでいうと、2004の「官から民へ」、「国から地方へ」をさらに言い換えたものらしい。つまり、公務員の純減(リストラ)、政府支出の削減、中央政府のスリム化と地方への権限と財源の移譲を進めて、財政再建しようということですな。

ということは、郵政民営化は財政再建のための政策ということになります。
でもちょっと待っていただきたい。財政再建しなきゃない理由って何だっけ?
よく言われるのが
「国と地方合わせて1000兆円を超えるともいわれる国の借金をなんとかしないと日本が破綻する」
という話ですが、これって本当なんだろうか?

こういう議論てのは、日本政府と日本経済をごっちゃにしてしまってるんじゃないかと思われます。
日本政府の借金が増えることがすなわち日本経済の破綻となるためにはだいぶ複雑な経路をたどる必要があるはず。なのに、国の借金が増えたら即経済が破綻するかのような議論はちょっと危ない。

これを説明するのは俺の能力を遙かに超えてるので、
bewaadさんhttp://bewaad.com/20050812.html#p01とか
マーケットの馬車馬さんhttp://workhorse.cocolog-nifty.com/blog/2005/08/1_3a74.html#moreとか
が日本経済や日本政府の財政再建についての郵政民営化の影響について賛否両論を展開されているので、そちらに説明を譲ります。

で、こういうマスコミでは語られない理論に基づいた分析を俺なりに読んだところでは、政府支出を減らすという意味での「小さな政府」を目指すこと自体がデフレ下で選択すべき政策ではないし、デフレでないとしても、郵政民営化が財政再建や、ましてや日本経済の再建にはほとんど影響はないということにしかならないんじゃないかと俺は考える。

一番分かりやすいのが田中秀臣さんの解説http://blog.goo.ne.jp/hwj-tanaka/d/20050908
だと思うんだけど、勝手に要約させてもらえば、景気対策と称して構造改革を進めることが、課題に対する適切な解決策という意味での政策の割り当てとして間違っているうえに、支出の無駄をなくすという目的のためには、郵政民営化によって資金源を断つということがあまりに迂遠な方策だということです。

ということで、日本政府の借金が増えても即日本経済が破綻するわけでもないのに、その日本政府の借金解消のためにほとんど意味のない「郵政民営化」が改革の本丸だという論理は、どうやったって成り立たないと思われるわけです。

日本財政を再建するなら、まず日本経済をデフレから脱却させ、ゆるやかなインフレにより適度なGDPの成長率を確保し、税収を増やした上で、必要な改革を進めるということが必要です。それをしないで「歳出削減」とか「官のリストラ」とかしたら逆効果です。

実はこれを「構造改革」と称してやってしまったのが小泉内閣なわけで、1990年代の「失われた10年」を遙かに超える所得の減少や自殺者の増加をもたらしております。

こうやって考えれば考えるほど選択肢がなくなるというのは、かなり空しい。
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