2008年09月30日 (火) | Edit |
いまさらですが、経営者による現場目線のサンプルとして両者を見比べてみたら面白かったので。
公務員は一周遅れでもいいから「失われた10年」(今の経済財政運営の流れからするとさらに10年?)を経験しろ(※1)ということなんでしょうか。

Ⅲ.新制度の概要
2. 多様な能力、技術、経験を持つ人材の採用、育成、登用
(2) 中途採用
 各種機関(府省等)が公務員共同体化し、仲間利益の優先、情報の秘匿、無責任無懲罰状況に陥っていることこそ、今日の官僚機構の最大の問題である。これを解消するためには、府省別の閉鎖的人事体制を打破して、各府省間でも官民の間でも流動性の高い人事制度を創る必要がある。
 公務員制度を適正にする3本柱は、機関(府省等)の垣根を越えた人事異動、抜擢と淘汰、他の職業からの中途採用の3つである

 学卒採用者の選抜・内部育成と中途採用の組み合わせにより、多様で高度な人材を確保する。
① 他の職業からの中途採用を積極的に行っていくために、一般職、専門職、総合職の3種類の中途採用試験を導入する。
② 中途採用試験は、内閣人事庁が各府省の人材ニーズを取りまとめ、人事院が実施する。
③ 中途採用者の処遇については、民間での経験を適切に評価して決定する。
④ 特に総合職については、内閣人事庁において、計画的に職位毎に中途採用者を採用する。
 中途採用は民間企業や大学からの出向や派遣ではなく、公務員として長期勤続することを前提とした採用である。特にこの場合は、人事院において技能や経験を厳格に検査する(コネ入省防止)。

(略)

3. 公務員の倫理の確立と評価の適正化
(3) 評価と賞罰
① 人事評価において、国民本位の評価視点を取り入れ、目標設定や結果のフィードバックなどのあらゆる機会において評価者と被評価者のコミュニケーションを充実し、「全体の奉仕者」としての意識を涵養する。あわせて、そのための評価者の資質向上を図る。
② 評価は、採用年次にとらわれず、同一の職位に属する集団の中での相対評価により行うことで、年次順送りでない能力実績主義に基づく公平・透明な仕組みを確保する
③ 組織目標とリンクした目標管理を行い、組織目標から個人の目標を導き出す。
④ 評価に当たっては、A.評価基準に照らした行政効果、B.選択肢の提示数量と出来映え、C.明確な失敗(記録の喪失、事業予測の誤り、許認可の遅延、事故事件)、D.手続きなどの簡素化努力、E.公務効率程度(残業や経費の削減努力等のビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)実績)、F.民間からの苦情審査、等を尺度として採用する。
⑤ 評価に対する納得性を高めるため、被評価者に評価結果を開示し、フィードバックを確実に行う。
⑥ 具体的評価方式は内閣人事庁が策定し、当該公務員の勤務機関において実行する。
⑦ 評価記録は、管理職未満の一般職および管理職未満の専門職については各機関が、総合職および管理職以上の専門職については内閣人事庁が記録を保管し、各機関人事権者などに閲覧させる。
⑧ 勤務評価の結果は、事後の昇降給、賞与および人事配置などに反映させる
⑨ 管理職の評価においては、公務員としての倫理および管理対象組織と職員に対する指揮監督の実効性を第一とする。


平成20年2月5日『「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告書[PDF]』(公務員制度の総合的な改革に関する懇談会
※強調は引用者による(機種依存文字をそのまま引用してますので、本文でご確認いただければ)。



第3章 雇用管理の動向と課題
第2節 企業経営と雇用管理の動向(注:pdfファイルです)
1)企業の雇用方針
(労働者のために柔軟な就業機会をつくるという企業の認識は低い)
 近年では、パートタイマーや派遣労働者で、本来であれば、正規の職員として就職したかったと思っている不本意な就業者が増加しているが、こうした傾向は、産業活動や企業活動の健全な発展という観点からも注意が必要である。コスト抑制に傾き過ぎた企業経営は、長期的な視点に立った人材育成を疎かにし、外部に人材を求める傾向を推し進める。しかし、産業、企業活動に不可欠な人材は、職務経験を含めた長期の人材養成の取組があって、はじめて満足いく形で育てられるものであり、中途採用や正規の職員以外の就業形態による、人材の外部調達に傾きすぎれば、いつかは、地道に育てられた人材資源は枯渇することとなる。そして、人材面での隘路は、その産業分野や企業の成長にとって、大きな障害となることは間違いない。バブル崩壊以降の厳しい経済環境の中で、コスト抑制が優先されてきたが、景気回復に伴って、企業が事業運営に自信を回復していけば、企業も人材育成のコストを負担しやすくなると考えられ、新規学卒者の採用が引き続き増加する中で、今後は、労働者の配置や育成に向けた対応が再び強化されていくことが期待される。
(p188)

(略)

2)賃金制度と賃金構造
(賃金制度の見直しは意欲向上とコスト削減の両にらみ)
 第3 -(2)- 8 図により、企業が賃金制度を見直した契機についてみると、社員の満足度を高めるために、社員一人ひとりに応じた賃金決定が必要なためとするものの割合が高い。しかし、経営状態に照らし総額人件費を抑制する必要があったためとするものが次いでおり、産業別には、卸売・小売業,飲食店での割合が相対的に高い。また、今までの賃金制度が新規学卒時から勤める者を基本に設計されていたことから、中途採用者を受け入れるためにも見直しを要したという側面があり、製造業、サービス業では、卸売・小売業,飲食店に比べ、中途採用の増加、活用のため適切な賃金制度を整えることを目的としているとする企業割合が高い。
 このように、賃金制度の見直しの契機として、労働者の意欲を引き出すための取組があったことは間違いないが、同時に、コスト削減も少なからず目的とされている。労働者の意欲に裏打ちされた高い産業競争力を実現していくため、現状の賃金制度の課題を的確につかみ、今後の改善に向け積極的に取り組んでいくことが大切である。
(p191)

(略)

(賃金制度見直しの光と影)
 第3-(2)-14 図により、労働者の意識からみた、賃金制度の満足度や改善度をD.I. によってみると、現状の賃金制度に満足している者は少なく、不満に感じている者の方が圧倒的に多い。また、評価基準の明確性についての不満や努力が報われないことへの不満が大きい。さらに、満足度が高くなったか低くなったかをみると、満足度が低くなったとする者の方が多く、努力が報われること、評価が納得できること、などでの悪化が大きい。特に、卸売・小売業,飲食店では、努力が報われなくなったと感じる者が多く、そのD.I. の悪化は、他の産業に比べ大きく、この点が卸売・小売業,飲食店における賃金制度に対する不満拡大の最大の要因であると思われる。
(p198)

(略)

まとめ(注:pdfファイルです)
(業績・成果主義の広がりと長期勤続者にみられる意欲の低下)
 働く人々の職業能力は、一朝一夕に形成されるものではなく、長い歳月をかけ、豊富な職務経験を積み重ねながら高まっていくものである。我が国企業に広くみられる、長期雇用の慣行は、計画的に新規学卒者を採用し、長期的な視点から職務経験を積ませ、時間をかけて人材を育成していくことを目指すものである。1990年代には、経済停滞が長期に及んだことから、長期雇用慣行に不可欠な、計画性や長期的展望が揺らぎ、こうした雇用慣行のもとにある労働者が絞り込まれ、年功型の賃金制度の見直しも進んだ。近年は景気回復に伴い、企業も経営に対する自信を次第に回復させ、それに伴って新規学卒者の採用も拡大している。また、人々の意識をみても、長期雇用慣行や年功型賃金制度など、いわゆる日本型雇用慣行に対する評価も回復している。かつては、日本型雇用慣行の持つ弱点として指摘されることが多かった、組織の一体感や一企業を前提としたキャリア形成などについても、かえって、それを積極的に評価する見方が増えている
(p245)

使用者と労働者の間で広がる認識ギャップ
 1990年代以降の雇用管理の見直しは、集団主義的な色彩を改め一人ひとりの個性を活かすといった視点を含んではいたが、経済環境が厳しかったこともあって、コスト削減志向が極めて強いものであった。仕事を通じて得られる満足感について労働者の意識調査をみると、どの産業でも、満足感が低下したとする労働者の割合の方が高く、正規の従業員を絞り込んだことや、広く導入された業績・成果主義的な賃金制度の運用などには多くの問題点があったことがうかがわれる。一方、企業調査をみると、企業は、労働者の満足感がそれほどまでに低下しているとは認識していない。企業調査では、労働者の満足感が低下したとは思わないとする割合が高く、企業側と労働者の認識のギャップは大きい。(※あ、全部強調してしまった)
(p256)


厚生労働省平成20年版 労働経済の分析-働く人の意識と雇用管理の動向-〔平成20年7月22日閣議配布〕
※強調は引用者による。


「今年の『労働経済の分析』は、官僚による『「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」報告書』に対してのリジョインダーだったんだよ!」
「な、なんだってー!!(AA略)」


※1 もうすでにうちのところは逆格差を経験してますが。
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