2008年09月10日 (水) | Edit |
格安マザボのPS/2周りがどうにも調子が悪くてキーボードが引っかかるのなんの。
打つ気になりませんでしたが、USB接続で問題が解決したので久しぶりに更新など。

先日、地方自治体職員向けの地方分権改革推進委員会委員長さんの講演を聴く機会があったんですが、ルサンチマンの発散につきあわされてゲンナリでした。これが民間感覚というモノなのですね。

なるほど、行政組織体は独占状態だから市場原理がないので競争原理が働かないと。だから公務員はムダなことをやっても問題がないと思っているのですね。そして公務員はそのことに気がつかないし、指摘されると「うまくいっているのに何が悪い」と開き直ると。中央官僚は組織防衛のことしか考えておらず、地方分権できない理屈の天才で、できる理屈は考えないんだと。だから中央官僚はなっとらん!公務員の頭の構造がおかしい!と憤慨なさっているのですか。

…あの、すいません。われわれも公務員ですけど。
この委員長さんが「競争原理が働かない」とかおっしゃる公務員批判の対象は、中央官僚だけじゃなくて地方公務員も含んでいますよね。公務員を一緒くたに批判される一方で、中央官僚はダメで地方公務員はいいという論理にすり替わっているかと思えば、最後は「公務員の頭の構造はおかしい」ですか…

いや、だから、地方公務員に権限なんか委譲したらもっとひどいことになるんじゃないですかね。

でまあ、この地方分権改革推進委員会というところのメンツを見ると、実務経験のある委員は皆無なわけで、民間企業の取締役会長さんが委員長で、あとは学者と市長と町長に、後付の副知事というメンツでいったい現場の何がわかるとおっしゃるのでしょうか。市長とか町長ってのは民間企業なら社長なり会長なりの立場なんで、普通の役所なら職員から「現場のわかってないで票集めだけの政治家のくせに」と愚痴られる存在なのが普通でしょ。地方分権改革推進委員会は、こういう「経営者目線による現場主義」というアンビバレンツな原理で動いているようで、その批判の矢面に立つ中央官僚の方々には同情申し上げます。

この委員会に限らず、最近は「現場主義」とかを標榜する政治家首長さんが増えているという矛盾した状況で、彼らはhrhtm1970さんがおっしゃる現場主義の落とし穴にはまることになるわけです。

とにかく一度は現場に足を運んで自分の目で見ることをモットーにしている橋下知事が、一番陥りやすい(というかすでに陥っていると思いますが)落とし穴だと思います。児童文学館に限らず、高い専門性を持つ施設の場合、どこをどう見ればその施設の評価を適切に行うことができるのかは、1回や2回、それもたかだか1、2時間、足を運んだくらいで分かるとは限りません。なまじ自分は自分の目で見た、という自信を持ってしまう分、現場視察主義はかえって判断を誤る危険を高めかねないのですが、それが知事には意識されていないようです。だからこそ、堂々たる視察と、今回のような「盗撮」とが、本質的には全く同じ、情報の著しい限定性という問題点を抱えていることに気づかず、隠し撮りにすれば「実態」が分かるというような考えに囚われてしまうのでしょう。

■[大阪府立国際児童文学館関連]今回の場合、「隠し撮り」が問題だというよりも 10:05(2008-09-07)」(宮本大人のミヤモメモ


こうなってくると、現場を理解していない経営者が労働者の働く現場を不当に評価して仕事を奪うというような構図になってきているわけですが、こういう知事が喝采を受ける一方で「蟹工船」がブームとか、自己矛盾もひどいもんですね。

地方分権改革推進委員会でも、中央官僚の抵抗とひとくくりにする中には、中央官僚なりの現場があって、その中の事務遂行とか効率性を主張しているものもあるはずで、「できない理屈の天才」とおっしゃるなら、その天才的な現場というものを理解する方が先なんでしょうけど、経営者の方々はそんなことにはお構いなしに「市場原理だ!」と突っ走るんでしょう。中央官僚の方々のがんばりだけが最後の頼みの綱です。

あと、この委員長さんの講演の後半では、例の「国の借金が増えて日本経済が破綻する」という話で脅してました。「脅す→危機を感じる→判断を誤る」ってことにならなけばいいんですけど、この委員長さんはさらに、「大木は厳しい環境を生き抜いたからこそ立派な姿になる。公務員もあえて批判を喜んで受けて自分を磨くべきだ」とのシバキ主義全開でしたし、ロクなことしなさそうですな。
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