2018年04月15日 (日) | Edit |
前回までエントリまでで3月末からの書きかけは一通り書いたところですが、ついでに常々思っていたことを書いておきますと、この国の「陰謀論」好きはすでに見境がなくなっているんではないかと。

こちらのtweetそのものには特に異論はないのですが、私が見聞きしているこの国のエンタメも陰謀論ばかりではないかと思うところです。

といいつつ、私自身は定時で帰るなんて仕事上の飲み会のときぐらいの職場におりまして、平日にドラマを見ることもなく、録画しても土日に面白そうなものをかいつまんでみる程度ですし、小説もここ数年真面目に読んでないので、まあその程度の印象論です。さらに多分に自戒を込めておりまして、というのは、「「言うこととやることが正反対であっても、発話の内容のみに着目して議論するのが論理的に正しい」という主張は、感情を持った人間同士が議論するという現実を無視した机上の空論だろう」と考えておりますので、批判すべき議論について批判する際には、その議論そのものよりも発話者の普段の行動だったり発言を重視しておりますが、ここの加減を間違えると「○○の立場だから自分の都合のいい議論をしている」という陰謀論との境を超えてしまいかねないからです。

という自戒を込めつつ、この国の政治や行政をめぐる議論はもちろんのこと、特に刑事ものとか医療ものというドラマは、一部の権力者が私腹を肥やしたり野望を抱いて陰謀を張り巡らし、それに気づいた正義の下っ端が陰謀を暴くというプロットが多くて辟易することが多いんですが気のせいでしょうか。というより、そもそも政治や行政の意思決定の現場そのものをテーマにしたドラマというのはほぼ皆無で、刑事ものや医療ものでは政治家や役人が必ず出てくるものの、大抵は主人公の邪魔をするか、政治家や役人が主人公であっても上層部に巨悪がいてそれに楯突くような位置づけが多いんですよね。

一方で、海外ドラマもそれほど多く見ているわけではないのですが、アメリカでいえば「ザ・ホワイトハウス(原題:The West Wing)」では大統領とその側近たちが主人公のドラマで、人間くさい些事(浮気や見栄)に振り回されながら国の政治が動いていく様子が描かれています。イギリスでいえば、「官僚天国!〜今日もツジツマ合わせマス〜(原題:The Thick of It)」でかなりカリカチュアライズされてはいますが、何の見識もなく大臣になった政治家をこけにしながら振り回される官僚スタッフが主人公のドラマで、たとえば大臣となって引っ越した政治家が自分の子息を地元の学校に転校させる際に、周囲から便宜を図ったと言われないよう内密にしてほしいと学校に伝えたところ、その子息が登校していることがバレてしまい、結局「内密に転校したのは何か便宜を図ったからに違いない」と野党に追及され、その辻褄合わせに官僚スタッフが奔走するエビソードなどがあります。アメリカやイギリス本国での受け止め方はよくわかりませんが、どちらも長く続いたシリーズで放送終了後も人気があるようですので、そうした人間くさい些事に振り回される政治家や役人が意思決定の現場にいるということが視聴者にも違和感なく受け入れられているといえそうです。

飜ってこの国のエンタメを見てみると、正義の義憤に駆られた主人公が、悪に染まった権力者や腐りきった組織の上層部による陰謀を暴き、その首謀者を懲らしめるというプロットしかないというのは、それが実態を反映したものなのか、そうしたプロットしか視聴者が受け入れないということなのかはわかりませんが、これもまた日本型雇用慣行との差として認識しておいてもいいのかもしれません。
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