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2012年04月12日 (木) | Edit |
日付が変わりましたが、昨日で震災から13か月となりました。実を言えば、そうした節目を意識する暇もなく年度の変わり目の業務に追われる日々です。年度の切り替えというのは旧年度の事業完了と新年度の事業開始にこぎ付けるのがやっとという状況で、いろいろな取組が途切れてしまう時期でして、逆に言えば、その年度の切り替えをしなければ新年度の事業が始まらないという時期でもあります。まずは旧年度の事業完了をさっさと済ませて新年度の事業に着手するため、しばらくは深夜帰宅が続きます。もちろん超勤など付くはずのないサービス○業です。

こうした切り替えがムダだというご批判はよくわかりますし、ほとんどのコームインは自分でもその思いを抱きながら仕事に追われているのですが、財政の単年度主義の原則やら会計検査院の実地検査やら財政民主主義というのはそういう手間のかかる制度なのですよねえ。
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2012年04月09日 (月) | Edit |
前々回エントリではdojinさんと大変有意義な議論をさせていただきまして、本文も長いですがコメント欄もかなりの長さになりました。その中で「私はマシナリさんの言説や情報発信を(ニッポンのジレンマ的議論の何倍も)信頼しております」とのお言葉をいただいたからというわけではないのですが、第2弾となった「ニッポンのジレンマ」の録画を流し見してみました。

まあ、あまり時間をかけて取り上げるべき内容だったかはよく分かりませんが、今回から参加された與那覇潤先生の歴史的な経緯を踏まえた指摘が議論の拡散を抑えていたようで、第1弾よりは出演者の底の浅さ・深さが浮き彫りになったように思います。

與那覇先生のさすが歴史学者だなと思う指摘をメモしておくと(今回は巻き戻していないのでうろ覚えですが)

  • 日本特有の民主主義の限界は江戸時代の限界そのままである。
  • 現代の政治家は貴族院の子孫ではなく一揆の子孫であって、国が間違ったことやろうとしたときにそれを止めることに特化している。
  • 現在の国会は拒否権を持つアクターが多すぎる。議員は地方に基盤を持っているので国政で何かを決めるということができないし、二院制で衆議院が優先するといいながら実際は参議院で野党に過半数を握られると決められなくなる。
  • (自分の一票が何かを決めるというのは、ある程度裕福でなければ感覚として理解できないという飯田先生の指摘に対して)ブルジョワ民主主義に対するプロレタリアート革命の必要性が語られたのが20世紀であって、21世紀の今になってそのことがまだ議論されていることに絶望を感じる。

といったところでして、まあそうだよなあというところですね。

とはいいながら、その與那覇先生ですら、「正社員という働き方や解雇規制をなくして雇用を流動化することが必要だ」(うろ覚えなので要旨はこんな感じだったと思いますが正確には違うかもしれません)という素人丸出しの労働観を披瀝されていたわけで、まあ建設的な議論が期待できないのは第1弾と変わりないのかなという印象です。

ただ、最後に各出演者に「これから民主主義を変えていくために必要なことは?」と一言ずつ求める場面があって、萱野稔人先生が「実務感覚」と答えられていたことが意外でした。まさか拙ブログをご覧いただいているとは思いませんが、「実務のない新世代」ばかりの出演者の中で、そのことを指摘したのが経済学者でも社会学者でもフリーランスのライターでも投資家でも紛争予防のスペシャリストでもなく、実務からもっともかけ離れている(と思われていそうな)哲学者だったというのが今回のオチでしょうか。

(追記)
オチには続きがあったようで、hamachan先生のところでほかの哲学者の方のツイートが取り上げられていました。

レベルの低い「民意」をすくい取られた大衆が、しかし自分の専門分野について「とはいえ、こいつはおかしいんじゃないか」と感じるその違和感をきちんと言語化するのが、言葉を商売道具にして生計を立てている連中の最低限の義務だろうに。
それすらも放棄するというのは、つまるところ、そういう専門分野、つまり「各論」を持たない哀れな哲学者という種族の末路と言うべきか。
ポピュリズムの反対はエリート主義ではない。大衆の中の「各論」を語れる専門家的部分をうまく組織して、俗情溢れる低劣な「総論」を抑えるようにすることこそが、今日の高度大衆社会に唯一可能な道筋のはずだ。

各論なき総論哲学者の末路(2012年4月 9日 (月))」(hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)


なるほど、大衆と呼ばれる普通の人が持っている実務とか趣味の世界の専門性が「各論」を形成していて、むしろ専門家と呼ばれる人が持っている実務抜きの専門性が「総論」を形成していると考えると、私のようにわざわざ「実務知」とか「学術知」なんてカテゴライズすることなく議論ができますね。

そういえば、拙ブログでも「職業的なスキルを身につけたときには、誰でも「仕事について自分のスキルが上がって、仕事について一家言もてるようになった」ことに気がつくのではないかと思います。そのとき、他の職業人についても同じことが起きていていると想定するのが自然なはず。しかし、それは職業特殊なものであることが多いので、簡単には互いにそのスキルをわかち合えないどころか、そういう想定さえされないことになってしまいます」なんてことを書いていたのを思い出しました。

まあ、もしかすると、実務感覚で自分の専門となる「各論」の形成を呼びかけていた萱野先生はそうした経験を通じてその必要性を認識されているのかもしれませんが、「各論」を「各論」として考えることが利害調整の重要な要素でして、それを等閑視する専門家というのは決して哲学者に限らないような気もするところです。

2012年04月08日 (日) | Edit |
すっかり旧聞に属してしまいましたが、チホーブンケンとかチーキシュケンしたくてたまらない関西方面(注:リンク先エントリ中の補完性の原理についてはhamachan先生にフォローしていただきましたので、そちらをご高覧ください)の府県と市町村の首長さんの間でおもしろいやりとりがあったという記事がありましたので、リンク切れも含みますが備忘録としてアップしておきます。

奈良不参加なら困難=関西連合への国出先機関移管―内閣府幹部(時事通信 3月20日(火)19時7分配信)

 内閣府地域主権戦略室の渡会修次長は20日、国の出先機関の関西広域連合への移管に関し、「(同連合に)奈良県が入っていないと移譲できないことになる公算が大きい」との認識を示した。大阪市内で同日開かれた同連合と近畿市長会・町村会の会合で明らかにした。
 内閣府がまとめた制度案は、出先機関の地方側の受け皿組織を、原則として各出先機関の管轄区域の自治体で組織する「特定広域連合」と規定。このため、奈良県が参加していない関西広域連合への移管が可能かが焦点となっている

奈良不参加なら困難=関西連合への国出先機関移管―内閣府幹部 (時事通信) - Yahoo!ニュース(注:リンク切れです)
※ 以下、強調は引用者による。


地域主権なんだし「地域のことは地域が決める」という以上は、奈良県が参加しないという判断も尊重されるべきですね。というか、奈良県に加入を求めなければ権限を移譲できないというのは中央集権的な調整機能が不可欠という実務的な要請であって、「地域のことは地域が決める」という以上はそれくらい地方自治体の首長さん方できちんと調整してもらいたいものですが、「権限の委任や代行を可能にする制度設計を政府に要望する」って「地域のことは地域が決める」というなら自分で調整案くらい作ってもよさそうですが。

出先移管に不安の声 広域連合、市町村向け説明会

 関西広域連合は20日、国出先機関の事務・権限の移譲を受ける計画の市町村向け説明会を、大阪市北区の大阪国際会議場で初めて開いた。井戸敏三連合長(兵庫県知事)は効率的な広域行政の実現などメリットを示したが、首長からは出先機関の機能維持や予算配分を不安視する声が相次いだ

 政府は関西広域連合に、近畿地方整備局、近畿経済産業局、近畿地方環境事務所を移管する方針で、今国会に関連法案を提出する構え。説明会には関西2府4県の24市町村長が出席し、井戸連合長と政府担当者から特例法案の原案や考え方を聞いた。

 上田清・近畿市長会長(奈良県大和郡山市長)は「まだまだ基礎自治体の意見が反映される中身になっていない」とし、出先機関の機能維持を要望した。獅山向洋・彦根市長は広域連合議会の議員定数見直しが難航した経過を踏まえ「こんなことで予算編成などに迅速に対応できるのか」と指摘した。府県間の予算配分や利害調整への不安も目立った

 井戸連合長は「人と財源、権限の丸ごと移管で、所属を広域連合に変えようというだけ」と強調し、移譲後の道路や河川の 備計画に市町村の意見を盛り込む考えを明らかにした。嘉田由紀子・広域連合国出先機関対策委員長(滋賀県知事)は「皆さんと話し合いながら公平性、透明性のある予算配分ができる仕組みが入っている」として理解を求めた。

 ただ奈良県が未加入の現状について渡会修・内閣府地域主権戦略室次長は「移譲できない公算が大きい」との見解を示した。井戸連合長は引き続き奈良県に加入を求め、権限の委任や代行を可能にする制度設計を政府に要望するとした

【 2012年03月20日 22時57分 】


地域主権という以上、地域同士で意思決定することができるという前提で権限移譲を主張されていたことでしょうから、奈良県が加入するかどうかを今さら議論されてもねえという気がしないでもないのですが、「不安視する声」がある中で「理解が得られた」というのは、皮肉でも何でもなく、いかにも役所的な利害調整の仕方だなあと考えさせられるものがあります。まあ、地方分権とか地域主権を主張されている方々はそういう「利害調整」を望んでいたのですかと小一時間ほど聞いてみたいものです。

国出先機関の地方移管 関西広域連合が法案説明会

 国が示した、出先機関の権限を丸ごと地方に移す特例法案の原案について、関西広域連合(連合長・井戸敏三兵庫知事)は20日、大阪市内で近畿の市町村長の代表を集めた初めての説明会を開いた。同連合に未加入の奈良県をめぐり、内閣府地域主権戦略室の渡会修次長が「奈良県が入っていないと移管できなくなる公算が大きい」との認識を示したのに対し、井戸連合長は未加入でも移管できるよう国に要請する意向を示した。

 説明会には近畿市長会と町村会の役員らが参加。井戸連合長と滋賀県の嘉田由紀子知事、福田昭夫総務大臣政務官らが国と広域連合の取り組みに理解を求めた。

 国が16日に示した原案では、出先機関の管轄区域内にあるすべての都道府県でつくる「特定広域連合」に移管すると規定。市町村長からは、奈良県の未加入問題に加え、予算配分の利害調整ができるか不安視する意見も出された

 国側は、広域連合に毎年作成を求める事業計画で市町村の意見を反映する仕組みを説明。嘉田知事は「予算配分は国に陳情するだけだったが、移管により当事者同士で意思決定ができ、公平性や透明性が増す」とした。

 また、広域連合の動きが分かりにくいなどの不満も続出し、説明の機会を増やしていくことを確認。会合後、井戸連合長は国の出先移管について「一定の理解が得られたのではないか」とした。(井関 徹)

(2012/03/20 21:53)


まあ、自らが推進するチホーブンケンとかチーキシュケンについては「一定の理解が得られた」とかおっしゃるのですが、地域住民に人気のないがれき処理について一定の理解を得る見通しはなさそうですね。

がれき処理 市町村慎重 : 京都 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれき受け入れに向けた、関西広域連合の独自の安全基準が21日までにまとまった。山田知事は、25日の同連合知事会合でこの基準が了承され次第、「安全確保の枠組みができた」として、府内の自治体に受け入れを要請する方針だ。ただ、自治体側からは「安全基準があっても、住民の理解が得られるかは別」との声も上がり、難航が予想される。(まとめ 田中洋史)

 同連合の専門家会議がまとめた基準は▽受け入れ可能ながれきは、放射性物質の濃度が1キロ当たり100ベクレル以下の物▽埋め立て可能な焼却灰の放射性物質の濃度は、1キロ当たり2000ベクレル以下――とした。焼却灰の濃度は、国基準の4分の1に抑えた。

 山田知事はこの基準を「府内にがれきを受け入れるカギ」と受け止め、府内の市や町でも受け入れの環境が整うとみている。だが、読売新聞が受け入れ表明済みの舞鶴市などに取材したところ、山田知事の思惑通りには進みそうにない様相が浮かび上がった

 舞鶴市の多々見良三市長は「受け入れ可能ながれきの放射線量は『普段処理している廃棄物と同等かそれ以下』と言っている。その数値はこれから測るが、もし広域連合の安全基準より低ければ、それが舞鶴の基準になる」と語った。

 京都市は、国や同連合の基準が適切かを検証するため、専門家で作る委員会を設けるという。市施設整備課は「広域連合の基準で、焼却炉の内部点検や作業時の安全まで示されているのかを確認したい。受け入れる自治体が責任を持って基準を判断するべきで、独自にしっかりとした検証が必要だ」とした。

 福知山市は、基準以外に注文を付けた。「国より厳しい基準は評価はしたいが、あくまで受け入れ検討の判断材料の一つ。がれきの種類や量など、具体的な要請内容を見なければ処理の検討のしようがない」とした。

 府議会では自民、民主、公明各党が、がれき受け入れを府内で進める決議案を22日の本会議に提出、全会一致で可決される見通しだ。

 府としての方針は固まっても、市町村は慎重な姿勢を崩さない。府循環型社会推進課は「広域連合が作った基準の意味を理解してもらい、受け入れに協力が得られるようお願いするしかない」としている。

(2012年3月22日 読売新聞)
がれき処理 市町村慎重 : 京都 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(注:リンク切れです)


こうして、地元の了解が取れなければなにもできないということも「地域のことは地域が決める」というチホーブンケン教の皆さんの望むところなのでしょう。そうしている間は、がれきの処理が進まない被災地では復旧とか復興なんてのは足止めされるわけですが、それも「地域のことは地(ry

こうして並べてみると、もしかすると「首長のリーダーシップが足りないからだ」という主張が出てくるのでしょうけれども、それをやろうとした神奈川県ではこんなことがあったそうです。

黒岩知事は去年5月にいったん受け入れ方針を示しましたが、このときも、12月にあらためて表明したときも、県から地元の大楠地区に事前の相談はありませんでした。町内会長や自治会長たちは憤慨しましたが、それでも被災地の窮状に心を痛めていたため、県が呼びかけた地元説明会に足を運びました。しかしこの説明会は混乱を極めました。

(VTR 大楠地区地元説明会)
町内会長などは、知事と大楠地区の人たちだけで話し合いたいと希望していましたが、ほかの地区や市外からも大勢の人が詰めかけました。予定の倍以上の人であふれ、肝心の地元町内会長たちは会場に入れませんでした。説明会では遠くからやってきた反原発や政治活動のグループが、知事の説明や質疑応答に野次や怒号を浴びせ、地元の人たちが止めてもおさまりませんでした
そして地元の人たちが一番知りたかった、持ち込まれる焼却灰の安全性の根拠や処分場の敷地にある活断層への備えなどについて、知事や担当者から納得のゆく説明を聞くことはできませんでした。

説明会は混乱と説明不足のうちの終わり、「まずは知事の話を聞いてみようじゃないか」と言って参加した町内会長たちは、終わったときには全員「受け入れ反対」で気持ちが固まっていたと言います。

(略)

地元の反発を受け、神奈川県はこれまでの案を撤回し、新たな案のとりまとめを急いでいます。黒岩知事は被災地を視察し、受け入れの必要性と地元住民の不安とのかねあいに悩んだ末、県議会の最終日ぎりぎりに受け入れ方針を表明しました。しかし、その意気込みが空回りしたと言わざるを得ません

きのう黒岩知事に話を聞きましたが、知事はこれまでの進め方に問題があったことを認めたうえで、新たな案がまとまったら地元の人たちに対して「すべてのことをお詫びしたうえで、丁寧に説明をしたい」と話しました。

時論公論 「がれき受け入れ"拒否"の理由」2012年03月22日 (木) 松本 浩司 解説委員」(NHK解説委員室


神奈川県知事は「一言で!」と権丈先生に迫るようなワンフレーズポリティクスに何の疑問も持たない方ですので、知事となって「りーだーしっぷをはっきすればかいけつする」と考えていたのかもしれませんが、それが地元の反発を招いて、後から調整を迫られているそうで、きわめて不用意な対応をしているといわざるを得ません。さらにそれに輪をかけるのが、地元の人じゃないのに「地元のことは地元で決める」と乗り込んでくる方々でして、いずこの自治体でも同じようなことが起きているものだなと暗澹たる気分になりますね。

福島の原発からの直線距離でいえば東京よりも遠くに位置する岩手県や青森県のがれきの受け入れに「放射能の影響が心配だ」という風評をまき散らしているのがどこのどなたなのか存じませんが、がれきの処理に反対するために「遠くからやってきた反原発や政治活動のグループが、知事の説明や質疑応答に野次や怒号を浴びせ、地元の人たちが止めてもおさま」らないような状況では、被災地の復旧・復興が進まないのはやむを得ないものと被災地にいる者は諦めるしかないのでしょう。

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