2006年07月28日 (金) | Edit |
ちょうどいま太田総理の番組やってるんだけど、
「県庁・市役所などを民営化します」
だってさ。

何回も言い古された話ではありますが、一応マジレスしておきます。
民営化によってどうなるかってのを考えてみると、多くの研究が明らかにしているとおり、民営化したからよくなる部分ってのはかなり限られる。手っ取り早く言えば効果があるかもしれないしないかもしれないという程度。

しかし民営化にかかるコストってのはそりゃ膨大なわけです。そういう損得勘定で単純に考えたって、あるかどうか分からない民営化のメリットのために膨大なコストをかける理由はあまりない。どうやら太田光がいうことは
「世の中が変わっているのに全然変わらない世界があるのは不自然だ」
ということに集約されるらしいんだけど、それって民営化する理由になるのかなぁ?

「変わること=民営化」
って図式はそりゃ徴表的な変化として分かりやすいんだけど、そういった「改革してますよ」っていうシンボルとして以上の意味はあまりないですな。これは最近国会を通過した行政改革推進法にも同じことが言えるわけで、民営化とか公務員改革とかいえば威勢はいいけど、実際に効果を挙げることは単に公務員の抵抗とかいう以前に、制度の問題として難しいんだけどね。それを論証しようとすると本が一冊書けてしまう(俺が書く訳じゃないけど)ので、ここでは省略。

個人的には民営化でもなんでもいいんだけど、一番民営化が進んでいるイギリスだって実施部門以外はエージェンシー化していないわけで、なんでそういうことになるのか考えてみれば「民営化すれば全て解決する」っていう単純な話じゃないことは想像が付くと思うんだが、皆さんそういうことはご承知の上で議論されているのだろうか。

というわけで11対14で否決されたのは、この国にもまだ理性は残っていると喜んでいいのかな?
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2006年07月17日 (月) | Edit |
昨日に引き続いての連投になってしまったのは、目の前の困難からの逃避行動です。

連投するほどのネタでもないんだけど、学生のときの後輩で音楽やってる女の子(つってももう三十路かよ)の公式サイトをたまたま見たら、これが大変なことになっているわけです。その子がサークルに入ってきた当時はこんなかわいい女の子がこんなお堅い学校に入ってくるのかよ、しかもボーカルうめえよなんて衝撃がサークル中に走り渡ったもんでございました。もちろん初めは当時流行っていた女の子ボーカルのコピーなんかをやっていたはずなんだけど、途中から何をトチ狂ったか絶叫系のコピーとかに手を染めるようになって、いまではすっかりそっち系の破滅型ボーカルの人になってしまってます。

でね、ちょっと気になったことってのが、そのサイトの日記に書いてあった「自分は普通の感覚を親に教えてもらえなかったから、そういう感覚がないんだと思う」みたいな感じの言い振り。当時はそんな話聞いたことなかったけど、その女の子のご両親が早くに離婚していたそうで、その両親てのがあまりそういう心遣い的なものを教えてくれなかったということを書いてあったわけです。

まあ、公式サイトに書いてあることなんで、どこまでが本心でどこまでがキャラとしてのものかという問題かと一瞬思ったんですが、どうもこの当人が本心ともキャラとも区別が付かなくなっている節がある。そりゃ、破滅型のボーカルで破滅的な歌詞書いてりゃそんな心情にもなるってもの。これが意図的にできているうちはまだいいんだろうけど、実際にそう思っているんなら、ボーカルやってるキャラとしての自己と本心としての自己の区別が付かなくなっているということになってしまう。これって娘とお隣の子供を殺しちゃった秋田県のヤンママと通じるところがあると思えてならないんです。

よくある話だけど、あの母親ってのは早くに結婚して子供ができたまではよかったけど、その後離婚しちゃって仕事するにも再婚するにも娘の存在を常に足かせに感じていたはず。その存在を実際に消してしまったとき、自分がいかにかわいそうな境遇だと自分で思えるかってのがあの母親の心の隙間を埋めるために必要で、それがあの不可解な行動の理由だろうと思う。みんなに自分が最愛の娘を亡くした悲劇の母親だと印象づけるためとか、警察の捜査を攪乱するためとかそんな打算的な理由じゃなくて、あくまで自分がどれだけ悲惨な境遇にあるかを実感したかったんじゃないかと思うんである。

で、大学の後輩の話に戻るけど、彼女もそうやって自分の境遇を追い込んでいくことで自分のキャラを作って創作活動の肥やしにしようとしているんじゃないかと俺には思えるわけです。それは曲を作ってCD売ってライブしてっていう生産活動のために必要なことかもしれんが、逆に言えばそういう事情がなければそこまでする必要のないことでもある。創作活動ってのは自分の人生を切り売りすることだと言ってしまえばそういうことなんだとは思うんだけど、その切りうる人生までを、しかも無自覚に創作してしまっているんだったらかなりイタイ。

はっきりいえば、そんな自分の境遇とか自分は人とは違うんだと強調する辺りに「くまぇり」みたいな胡散臭さを感じてしまうんである。そして、その胡散臭さに自分で気が付かずに、自分をどんどんそっちに追い込んでいるように見えるのが何とも憐れでもある。普通の感覚なんて社会生活しながら身に付けるもんであって、親からじゃないと教えてもらえないもんでもないだろうに、学校もろくに行かずに適当にバイトした程度で三十路に突入してるんだから、普通の感覚なはずもない。

ほかの人生を歩んでいれば、そんなことをほじくり返すことなんかしないで、どうやって人生を自分のものにしていくかを考えていたかも知れないなあと思ったり。これはあの子に限ったことじゃなくて、俺自身とか広くみんなにもいえるかもしれないことでもある。それにしても、あの子にスーパージャンキーモンキー聞かせたりメジャーデビュー勧めるんじゃなかったかなあ?
(そういう問題じゃないか)

2006年07月16日 (日) | Edit |
「噂の東京マガジン」っていう下世話な番組がありますね。
日頃感じるやっかみをいかに正当化するか、いかに行政の責任に押しつけるかにかけては、みのもんたに匹敵する下世話ぶりを発揮しているのが森本毅郎なわけですが、テレビ局の視聴率獲得戦略としては欠かせない人材です。

ネットの発達で「ネットリテラシー」なんてのが大仰に論じられて、それなりに浸透しつつあるような気もしますが、そんなテレビ局というかマスコミ全体の思惑についての「リテラシー」って向上してるんだろうか? こういう視聴率獲得戦略が功を奏している時点で、どうも疑問を持たざるを得ない。

そりゃね、税金の無駄遣いだとか、立場を利用して特権をむさぼっているなんて言い方されたら、誰だって怒りますよ。でも、そんなことおっしゃるマスコミの方々の取材先での横暴振りとか羽振りのいい懐具合ってのは特権とはいわないんですね。年収でいったらマスコミに就職した同級生の半分くらいの公務員としては、腑に落ちないところです。

もしかすると「税金じゃなくて自分で稼いだ金なんだから人にとやかく言われる筋合いはない。税金で食わしてやってるのに偉そうなこというな」とおっしゃるのなら、新聞の再販制度廃止とかテレビ局の株式の分担を役所に決めさせるのとか率先して止めてもらいたいところです。経済学的にいえば、そういったコストってのは社会的余剰の損失である点で税金と変わらないわけだし。

なんてことを考えたのも、さっきザッピングしてたら相も変わらず議員宿舎だの公務員官舎だのが家賃低いなんてことを周辺の一般のアパートの相場価格と比べて騒ぎ立てていたのを発見したから。

つくづくいうけど、基本的な作法として比較対象が違うよね。比較するなら一般のアパートじゃなくて民間企業の社宅でしょ。もっといえば、一般のアパートだって、ほとんどの勤め人なら家賃手当とか住宅手当とかでてるはずだし、それを一切省いて比較するのもどうかと思うよ。あと、社宅でも官舎でもどっちでもいいけど、企業が従業員用に住宅を用意することがもつ意義ってのを法的にも経済学的にもきちんと整理した方がいいですな。

「国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議」
http://www.mof.go.jp/singikai/shukusya_iten/top.htm
っていう結論先にありきみたいな名称の会議があるんだけど、ここの3月10日の議事録にあるように、社宅とか官舎の家賃が低いのは、従業員とか職員に異動があったり会社の都合とかで突然退去させられたりしても、一切文句は言えないという条件があるからだそうで、実際に家賃を一般のアパートとかマンション並みにしたら借地借家法が適用されて退去させることができなくなっちゃうという最高裁の判例があるそうです。

ここまで杓子定規じゃくても、社宅とか官舎で一番誤解されていると感じるのは、「誰もそこに一生暮らすことはできない」ということ。公務員とか、社宅をもっているような大企業ってのは全国なり都道府県なりを転勤して回ることが運命づけられていて(本社勤務のエリートは除くけど大部分はこっち)、転勤の度に見ず知らずの土地で自分でアパートを探して幾ばくかの住宅手当で家賃を払う生活してたら、よっぽどの覚悟を決めないと持ち家なんて持てないんです。そんな負担を一部軽減する目的もあるし、もちろん災害とか有事に備えて役所の近くに住まないといけないという事情もあって官舎ってのが存在する。だから官舎に住むのって、いつかは出てかなきゃなくて、しかもそれだけ仕事がハードだったりするので、公務員である俺個人的としては勘弁してほしいと思ってますよ(今住んでるけど)。

それと、この有識者会議では、官舎より民間の社宅のほうが家賃が低いって資料が出てるんだけど、これはマスコミの方々は叩かないんですかね。「○○会社は不当に高い価格で消費者に負担を転嫁して、従業員は高級社宅で贅沢三昧!」とか。あ、みのも森本も自分の年収はいわないんだからマスコミが自分のとこの社宅とかスポンサーの社宅を叩くわけないか。そっかー。納得・・・するわけねーだろ。